日本語の考古学 (岩波新書) の感想
参照データ
タイトル | 日本語の考古学 (岩波新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 今野 真二 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004314790 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
「日本語が書かれたモノ」を分析の対象とし、日本語の移り変わりを述べた1冊。
「何が書かれているか」という内容ではなく、「どう書かれているか」、つまり字の形や使い分け、改行、仮名遣い等に着目している点が新鮮である。
発音の変遷も、書き方の違いを丹念に見ることによって洗い出すことができる。
印刷が15世紀にもたらされるまで、日本語はもっぱら筆写されており、著名な文学作品も、「写本」という形で受け継がれてきた。
そうなると、写し間違いも生ずるし、書写する人が自分の書き方の癖やその時代のスタイルに合わせて「書き換える」ということも起こる。
私達が現在目にする書物が、オリジナルそのものであったという保証は全くない。
それをつぶさに観察することによって、日本語という言語の連続的な変化が見える。
「書は人なり」と言うが、こうやってよく見ると、書いた人の人間性まで推測できるかのようだ。
紀貫之の土佐日記のオリジナルを100年後くらいに書写した人物が、「字がおたまじゃくしみたいで読みにくい」と既に愚痴っているというエピソードが面白かった。
何事にも変わる部分と変わらない部分があり、その差異は結構大事であるということがわかる1冊だ。
「何が書かれているか」という内容ではなく、「どう書かれているか」、つまり字の形や使い分け、改行、仮名遣い等に着目している点が新鮮である。
発音の変遷も、書き方の違いを丹念に見ることによって洗い出すことができる。
印刷が15世紀にもたらされるまで、日本語はもっぱら筆写されており、著名な文学作品も、「写本」という形で受け継がれてきた。
そうなると、写し間違いも生ずるし、書写する人が自分の書き方の癖やその時代のスタイルに合わせて「書き換える」ということも起こる。
私達が現在目にする書物が、オリジナルそのものであったという保証は全くない。
それをつぶさに観察することによって、日本語という言語の連続的な変化が見える。
「書は人なり」と言うが、こうやってよく見ると、書いた人の人間性まで推測できるかのようだ。
紀貫之の土佐日記のオリジナルを100年後くらいに書写した人物が、「字がおたまじゃくしみたいで読みにくい」と既に愚痴っているというエピソードが面白かった。
何事にも変わる部分と変わらない部分があり、その差異は結構大事であるということがわかる1冊だ。