再生(上) 続・金融腐蝕列島 (角川文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル再生(上) 続・金融腐蝕列島 (角川文庫)
発売日2013-08-13
製作者高杉 良
販売元KADOKAWA / 角川書店
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別

再生(上) 続・金融腐蝕列島 (角川文庫) とは

金融機関の不祥事を題材に、虚実織り交ぜて腐敗の構図をえぐる大人気「ビジネスパニック」シリーズの最新刊。『金融腐蝕列島』は総会屋への利益供与を、『呪縛』は第一勧銀、興銀、富士の3行統合をそれぞれ予言したとして話題を呼び、役所広司らの主演で映画版も製作された。舞台は金融不祥事で危機に陥った協立銀行。不良債権の回収・処理に奔走していた営業本部プロジェクト推進部の竹中治夫に、銀行の犯罪を問う住宅管理機構と対決せよという「特命」が下る。その後も銀行トップの後継人事抗争に巻き込まれるなど、竹中はまるで風に舞う木の葉のように翻弄されるが、銀行マンとしてのプライド、そしてなにより人間としてのモラルから銀行の再生を目指して尽力する。「なんでこんなことまで知っているのか」と業界人らをうならせる膨大かつ綿密な取材は健在で、圧倒的なリアリティーへと結実している。また、高杉作品に特有の会話の多さは、各登場人物の性格をより印象的なものにするとともに、作品自体に小気味よいテンポを与える役割も果たしている。社会派ドラマとしてではなく、徹底したサラリーマンものとして描くことによって、竹中のような中堅クラスの行員に「腐りきった金融機関を立て直すのは君たちだ」と奮起を促しているようにも思える作品だ。(磐田鉄五郎)

購入者の感想

主人公竹中治夫の個人的な女性関係がでてきて、本作は、書き振りがちょっと今までと違うなと思いました。
どうもスポーツ紙の連載だったらしく、それで納得しました。
(2作目の「呪縛」から東京スポーツの連載でした)
ノンフィクション性が強い本シリーズの中ではよりエンタテイメント性が強くなった第3作です。
それでも、住管機構の社長の評判が悪かった理由が分ったり、どこまでフィクションなのかわかりませんが、確かにあった頭取の対立・交代劇の凄まじさを見てしまいました。
組織内の権力争いのところは、フィクションにしても圧巻でした。
(312)

前作では日本の金融システムの病理を、日本金融危機の怒濤の時代と同時並行に、かなりの部分を事実に即して描いていたので、内情暴露小説としても、金融危機の実態分析としてもきわめて面白く読めた。
続編はうってかわって銀行内部のちまちました人事抗争の話に終始する。金融システムが腐っているから経営陣も腐るのか、はたまたその逆なのかはわからないが、クズの銀行役員同士のゴミのような人事抗争。それに振り回される銀行員たち。この話もおおむね事実に即しているのだろうから(モデルは某銀行)、こういうカスのような話は多かれ少なかれ実在したのだろうがそれにしてもあほくさい。
フィクサーが出てくるのもいただけないが、主人公と若い女子行員との不倫の話も現実感が乏しい。おやじ好きの若い女は何らかの意味でファザコンの素因なり家庭環境を持つのだが、そういう背景を書き込まずにすませた著者の安易さが気に入らない。
かろうじてこの本を読んで収穫があったとしたら、国民的英雄と目される人物が実体は全く違う人物であることを繰り返し繰り返し強調してあることか。
日本の「失われた十年」が依然終わらないまま、さらに年月を空費しているのは、すべての銀行経営者を投獄しなかったからだというのもうなづける。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

再生(上) 続・金融腐蝕列島 (角川文庫)

アマゾンで購入する
KADOKAWA / 角川書店から発売された高杉 良の再生(上) 続・金融腐蝕列島 (角川文庫)(JAN:登録されていません)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.