『枕草子』の歴史学 春は曙の謎を解く (朝日選書) の感想

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タイトル『枕草子』の歴史学 春は曙の謎を解く (朝日選書)
発売日2014-04-10
製作者五味文彦
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022630162
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 日記・随筆

購入者の感想

枕草子の歴史学というほど歴史学ではなかった。どちらかというと、テーマごとに段を並べ替えた枕草子の現代語訳とこの人の解釈集みたいだった。
帯に書いてあるような以外な『枕草子』はなかったと思う。

「枕草子」の原本を読んだのはもう何十年も昔のことだったし、現代語訳も橋本治の「桃尻語訳」を途中で投げ出してしまいました。もう二度と「枕草子」には縁がないだろうと思ってましたところ、この本に出合いました。
何気なく読み始めたら驚きの連続。歴史と文学とは別の世界と思っていましたが、考えてみれば書かれた時代や背景が作品に大きく影響しているのは当然のことだし、それを知らなければ作品の面白さも半減ということを実感しました。
清少納言は登場人物の固有名詞を明記せず、「内大臣」とだけしか書いていません。それが誰であるか?本書の初めの数ページで、歴史的検証の結果、いままで言われてきた人物ではなく別人であることを指摘します。まるで、推理小説の謎解きのようです。
古典も歴史も苦手な私でも、「へえ!」と驚きながら、どんどん読み進んでいきました。
「枕草子」のエピソードを読み解きながら、清少納言の時代が単なる過去ではなく、いまの時代と同じような人の生きているリアリティのある社会であること、そういうなかで「枕草子」が書かれて、今に伝わっていることの素晴らしさを本書は教えてくれました。

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