甲状腺超音波診断ガイドブック の感想

検査技師です。
甲状腺はルーチンで撮っているわけではないですし、件数も多くない病院に勤めています。
頸動脈エコー中に甲状腺のう胞など見つけることも多いですが、所見の書き方に苦労していました。

甲状腺疾患について基礎から説明があり、画像が豊富なので重宝しています。
内分泌医師の担当？みたいな立場にいるので、買ってみましたがこれからも活躍してくれそうです。

甲状腺・副甲状腺疾患の超音波診断に主眼を置いたバイブルです。

解剖と超音波の正常所見、用語の定義に始まり、各疾患の概略と病理、診断方法、超音波所見の捉え方まで、きちんと順序だって説明がなされており、通読することで系統的な学習ができるようになっています。公式本なだけあって、ソース付きの情報は信頼できます。

今後増加する可能性のある、甲状腺超音波検診の診断基準については、私見レベルの提言に留まっており、今後の改訂を希望します。検診発見の甲状腺腫瘤の扱いについては、以下の論文が今のところ内容が新しく、基準（根拠）も比較的明確に示されている印象です。
Korean J Radiol. 2011 Jan-Feb;12(1):1-14. Ultrasonography and the Ultrasound-Based Management of Thyroid Nodules: Consensus Statement and Recommendations

甲状腺診療に関わる、医師、技師向けだと思います。