ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論 の感想

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タイトルゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論
発売日販売日未定
製作者小林 よしのり
販売元小学館
JANコード9784093897433
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

本書の主張は明快極まりない。凄く大雑把に言うと「原子力発電という発電方式には欠陥がある。原発を推進する側の意見には
非常におかしな点が多数あり、国民と国土に犠牲を強いて危険にさらす事は止めて別の発電方式を用いよう。」全くその通りである。

二十年以上前の話になるが私の高校時代の日本史担当教諭は左がかった人で、
戦前の歴史、とりわけ日本の戦争責任を授業で扱う為に明治時代を全速力で終了させる位だった。
ある日授業の中で原発の話になるとニヤニヤしながら「本当に原発が安全だというなら、皇居に作れば
いいじゃないですか」と言っていたのを聞いて嫌な気分になった。皇室に関する知識が殆ど無かった頃でも
嫌な気分になったのだから、今同じ事を聞いたら首根っこを掴んでお前は一体どういう了見だと
怒鳴りつける位の事はするかもしれないが、話が長くなるので前振りはここまでにして本題に入る。

反原発運動といえば、福島第一原発の事故が起こるまで長らく左翼やリベラル側の専売特許と呼べるくらいであった。
だが果たして原発を止めるという目標を達成する為にはどうすればいいか、という事をどこまで突き詰めて考えていたであろうか。
原発を止めて廃炉にする為には広範な国民からの支持を得なければならない。先に挙げた左翼教師の皇居に原発をという極論は
昔から有ったが、こんな極論を挙げて国民から支持が得られると思っていたのだろうか。この時点で反原発運動=皇室を廃する為の運動ととられ
皇室を敬愛、支持する立場の国民と保守と呼ばれる層からの支持を得る事は絶望的で原発を止めるという目的を達する事は出来るわけがない。
この際、反原発のついでに皇室を廃したいという左翼の心の中にある願望、助平根性こそが先に挙げた極論が出てきた背景なのではないか。
世間の耳目を集める為に極論を言い世論の喚起を狙うという場合もあるが、せいぜい東日本大震災の直後にビートたけしが
「原発が安全だというなら、お台場に持って来よう」と言っていたが、このレベルが精一杯だろう。

自分もなんとなく原発は必要だと思い
今ある原発は極度に古い物や地震及び災害危険地域にある物だけ廃炉にし
でもそれ以外は残し、耐震や耐災補強工事などをして稼働させるべきという風に思っていました。

そしてどうしても地方が必要だと思い
なおかつ場所に問題が無く、安全性に優れている日本製であるならば
原発は必要と思っていました。

しかしこの書を読んで、このように決めつけるのは良くないし、行きすぎだし
もう少し国民的議論が必要な難題だなと改めて認識しました。

そもそもこの書は原発は元より、矛盾だらけの今の日本の電力行政に対して
非常に鋭くメスを入れている書で、原発関連以外でも充分読みごたえがあります。
東電をはじめとする各地方の電力会社による集権独裁的経営方式、原発ムラの利権構造
それに群がるファミリー大企業体にマスメディアに言論人達

いかに他の発電よりもこの原発という物が様々な日本の上層部から擁護され推進され
中間層や下層の人達が食い物にされているのかがよくわかりました。
しかし原発推進の言論人の中でも櫻井よしこ氏と田久保氏ばかりを引き合いに出すのはどうなんでしょ?
確かに有力な原発推進のシンクタンクのトップだから出されるのは仕方ないにしても
他の委員の人達もよく紹介するべきですし、推進派にはもっと裏に誰かがたくさんいるはずです。
そういった所では櫻井よしこ氏と田久保氏が吊し上げのごとくさらされてとても気の毒でした。

とても分厚く読むのに時間がかかりましたが、内容は非常に厚く充実した著書でした。
「ただちに廃炉」は無理だとしても「段階的に廃炉」にしていき
原発に代わる新たな安全な有力エネルギーの開発に発展、そして他の既存のエネルギーの安全な効率利用によって
日本を新たなエネルギー大国にしていく必要性を改めて感じました。技術大国の日本なら必ず出来るはずです。

原発は身体的、精神的、衛生的に、そして安全保障の面に関しても

小林よしのりの主張は明快です。
国土を守るという意味において原発は国土を汚すからダメ、だから、本当の右翼は脱原発でなければいかんというわけです。
小林は広瀬隆の本を丸写しにしているが、原本よりはるかに面白い。

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