ヴァイオリンを弾くための身体の作り方・使い方 基礎編 の感想

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参照データ

タイトルヴァイオリンを弾くための身体の作り方・使い方 基礎編
発売日販売日未定
製作者柏木 真樹
販売元せきれい社
JANコード9784873573540
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購入者の感想

 今はYouTubeなどで名演奏家の運指や体の使い方を見る事も出来る様になって、演奏そのものの技術的な勉強に資する情報は昔に比べると容易に得られる時代になりました。然し、特定の技能習得ばかりに熱中しすぎると腱鞘炎や手根管症候群、更には局所性ジストニアの発症に至るなどし、その結果演奏出来なく成ってメンタルにもマイナスに、、、という状態に陥るので、バランスの取れた身体の鍛錬や練習の組み立て方の大切さが強調されるようになりました。本書では著者自身の故障経験を契機として、Menuhinの本で扱っているような内容を整体術の観点に基づいた著者の観点から纏めています。

 バイオリン学習者にとっては助言として参考になる一冊ではあると思います。身体全体のバランスと上肢の柔軟性を保つ訓練、手指の力の入れ方、抜き方、練習スケジュールの立て方など、全体に共通する基本的な考え方について著者の流儀を披露しています。筋骨格系の図説を要所に入れていて、解り易い説明に努めています。医学的な理解は一般レベルで、特に一歩踏み込んだ理解への到達を目指した内容ではありませんが、大筋では妥当な範囲かと思います。具体的な目標設定や評価の指標まで示しているわけではありませんが、そもそも個人差や状況の違いもありますので文章にするのは難しいでしょう。

 ですから、この本に書いてある様に何かをそのままやろうとするのではなく、折に触れて思い出すべき基本原則集、という読み方で宜しいのでは無いかと思いました。具体的なことは、指導者に相談すべきでしょう。

レッスンでは指摘されない(してもらえない?)ようなことも、この本から分かることがたくさんあります。

基礎編とあるように、奏法など弾き方にはふれていません。それ以前の「どう体を使うか?」についての本ですが、これが、当たり前のようで当たり前には出来ない事ばかり。正直、今までバイオリンに費やしてきた時間はなんだっだ?と思いました。

私は大学から弦楽器を始めたのですが、バイオリンを弾く時は無理や違和感があるのはしょうがない、慣れたらそのうち大丈夫になる、と思っていました。が、何年経っても違和感は取れず、練習すると数時間で指が痛くなる問題もそのまま、上達にも限界を感じ始めていました。そんな時、この本を知ったのですが、ここにはその答えやヒントがありました。(レッスンについて先生の言う事を聞いているだけじゃ、ダメだったんですね…)
体を痛める痛めない以前に、上達のために体の使い方を見直す事は大切だと思いました。できていると思っていても(レッスンでもそれで良いと言われてる)実際はできていないことがたくさんありそうです。目から鱗が…というのは正にこの事だと思いました。

一読しただけでは分からない事もあるのですが、写真やイラストが多いので、そちらから「なるほどね」ということも結構あり、読みやすいと思います。(似たような体の使い方の本もありましたが、そちらは図が少なく分かりづらかったので)

この本は、楽器を弾くことを根本から考え直すきっかけになりました。

タイトルには「バイオリン」とありますが、体の使い方がメインなので、他の弦楽器奏者にも共通することが多く、また、体の使い方に困ってない、という人でも読めばきっと発見があると思います。

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