国民の修身 の感想

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参照データ

タイトル国民の修身
発売日販売日未定
販売元産経新聞出版
JANコード9784819111706
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門

購入者の感想

戦前の小学一年生から三年生の修身教科書を当時の雰囲気を残しつつ、現代でも読みやすいように編集し、再現した書である。
監修の渡部昇一氏は、八十歳代になって、幼少時に「よい話」を聞かせることの重要性に気がついたという。自分で考え出した名案と思っていたことが、昔からあった話で、小学生のころに読んでいたのだ、と気がついた。
「子供の時に読んだ話は、そのときに感心してもすぐ忘れる。しかし十年も二十年も経ってから、人生のある局面においては、昔読んで、感心して、忘れていたような行動を選択するものなのではないか。」
よい話は記憶の底に刷り込まれ、行動に現れるのだといえよう。

「正直であれ」「人の過ちを許せ」「恩を忘れるな」「規則に従え」「人の難儀を救え」「行儀よくせよ」「生き物を憐れめ」「仕事に励め」「学問をせよ」「師を敬え」「自分の物と他人の物」など、人間としての基礎を教えている。

私が好きな話は、水戸光圀の「倹約」の話である。
「徳川光圀は女中たちが紙を粗末にするのをやめさせようと思い、冬の寒い日に紙すき場に見せにやった。女中たちは、寒い風に吹かれながら、紙すき女が水の中で働く有様を見て帰った。光圀は『一枚の紙でも、紙すき女が苦労してこしらえたものであるから、無駄に使ってはならぬ。』と言ってきかせた。女中たちはなるほどと悟って、それからは紙を粗末にしないようになった。」

村の土橋が度々損じて、人々が難儀したので、他の役人仲間と相談して、銘銘の給料を少しずつ蓄えて、その金で石橋を架けかえた役人の話。大飢饉の時、田畑をはじめ家の道具まで売って多くの人を助け、妻も着物類を売り払い、晴れ着とともに櫛・かんざしも売って協力した慈善家の話。馬を「親方」と呼んで労る馬子に、そのわけを尋ねると、「私ども親子四人はこの馬のおかげで暮らしておりますから、親方と思って労るのでございます」と答えたという話。など、心温まる話がたくさんあり、四年生以降の分も読みたくなった。
本の装丁も味わいがある。

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