下品こそ、この世の花: 映画・堕落論 (単行本) の感想

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参照データ

タイトル下品こそ、この世の花: 映画・堕落論 (単行本)
発売日販売日未定
製作者鈴木 則文
販売元筑摩書房
JANコード9784480873798
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

書は、鈴木監督の幼少期の思い出や助監督時代、監督時代、企画が何度も頓挫してフラフラしていた頃の話や、第一線を退いた頃までを、時系列にそって纏められています。

もちろん、エッセイや寄稿を集めたものであるので、文体が一致せず、読みづらい部分もあります。それは、「映画芸術」や「シナリオ」では
文のターゲットが違うからというのもあり、なにより、監督が亡くなられてしまったあとの出版なので、読みやすいように加筆、修正が出来なかったというのもありましょう。

「映画から<娯楽>をとったら何が残りまんねん。」

この一文が表すように、東映のプログラムピクチャー、まさに娯楽映画を撮り続けた鈴木則文監督の文章は、映画に対する、娯楽に対する熱い思いでこの本は満ち満ちておりました。

やくざ映画論、仁義、内田吐夢監督とのお話。三島由紀夫と森田必勝に思う兄弟仁義。
それらの話をはさみつつ、度々出てくるのは、監督が先人から伝え聞いた言葉や、撮影時に大事にしていた言葉。そして自身の思いから出てくる名言。金言。

「テーマはその映画のあるワンシーンにある。そのワンシーンがない映画は駄目だ。
監督はそのワンシーンを発見し、その映画の全テーマを注ぎ込むのだ。
その時必要な論理は『弁証法』だ。」こちらは内田吐夢監督が語った言葉であるという。

「関の彌太ッぺ」についてのお話も興味深い。

映画のキーポイントになったムクゲの花が選ばれたロケハンの逸話。
なぜムクゲが選ばれたのか。
「名場面のない名作はない」。鈴木監督の映画にもそれは幾度も感じることが出来る。

「シナリオ」に寄稿された文は、ものを書く人に非常に良い文章ではないでしょうか。

シナリオは、「頭で書くな足で書け」という言葉を大事にしていたと監督。
全国をロケハンして書かれたトラック野郎を観ると納得の言葉です。
「シナリオはラブレターを書くつもりで書け」というのも素敵な言葉です。

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