The Narrow Corridor: States, Societies, and the Fate of Liberty の感想

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タイトルThe Narrow Corridor: States, Societies, and the Fate of Liberty
発売日販売日未定
製作者Daron Acemoglu
販売元Viking
JANコード9780241314296
カテゴリ洋書 » Subjects » Nonfiction » Economics

購入者の感想

人は自由に生きるためには法を要する。無政府状態だと常に脅威に晒されており自由とはいえない。強力な中央集権政府があればいいかというとナチや中共の失敗を見れば明らかだ。強い規範で人を縛る社会もまた息苦しい。社会がしっかり国家権力というレヴァイアサンに手錠をかける必要がある。
アテネのソロンは債務奴隷や人質を禁じて市民の権利を強化すると同時にエリートの支配もまた強めた。政府が強すぎても社会が強すぎてもダメで、人が自由であるためには両者が赤の女王競争をし続けて能力を伸ばしていかねばならないのだ。アメリカ建国の父たちもこれを理解しており、州議会の力を砕いて国を一つにまとめるために専心した。強力な政体が現れるのを忌避したナイジェリアのティブ族やレバノンはついぞ有効な政府を持てなかったし、社会が弱すぎた中国は権力を制御しきれず教育制度にすら賄賂が横行して必要な機能を果たせていない。自由を担保する政治制度に至るのは狭き回廊だ。
タブーだらけの社会には権力への意志を持った人物が現れるものだ。ムハンマドとシュワルナゼは部外者として紛争を解決し調停者として力をつけていった。ズールーのシャカは部族を超え迷信を破り国家を建設した。カメハメハは銃を使いこなしハワイをまとめた。彼らは自由を与えたいがために国家を作るわけではないのでこれらの事例で政府に手錠はつかなかった。
ハルドゥーンは税収のラッファーカーブを指摘したが、実際専制国家のカリフは生産性を高めたり工夫したりすることを阻害した。シャカもカメハメハも貿易や産業を独占した。シュワルナゼに至っては政治的に地位を固めるために経済をわざと混乱に陥れた。
フレスコ画に描かれているように、13世紀のシエーナではコムーネが発達し国家権力に制約が加わっていた。税を集めるのにも優れ、手形や帳簿や法人など商業技術が発展した。トルティーヤが発明されたのは運搬する必要があったためだが、これはモンテアルバンが民主的で都市化が進み多くの人が移動していたのを示すのだろう。

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