経済・社会の地理学―グローバルに、ローカルに、考えそして行動しよう (有斐閣アルマ) の感想
参照データ
タイトル | 経済・社会の地理学―グローバルに、ローカルに、考えそして行動しよう (有斐閣アルマ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 水岡 不二雄 |
販売元 | 有斐閣 |
JANコード | 9784641121638 |
カテゴリ | ジャンル別 » 歴史・地理 » 地理・地域研究 » 地理学・地誌学 |
購入者の感想
本著は経済地理学と社会地理学についての基本的な概説書です。経済地理学とは、空間の概念を取り入れた経済に対する考察、社会地理学とは、物理的広がりをもつ空間と社会とのかかわりを研究する学問です。
本著では通常の教科書にありがちなようにその学問の基本的な概念、学説史を網羅的に抑えるのではなく、現実の問題にむきあうアクチュアルな概説書として構成されています。具体的には「世界のグローバル化が進む中で、地域の多様性と異質性が増しているのはなぜか」という一見パラドキシカルな関係にもみえてしまう現象を、経済地理学と社会地理学の観点から説明しており、その中で学問の基本的な知見を紹介しています。ただし、本著は大きなテーマとして超マクロな世界のことを、入門書としての体裁を忘れずに論じているので、本著で紹介している知識は日常生活においても十二分に関係のあるものといえます。
もう少し内容に踏み込むと、本著では、空間の生成過程を経済、社会、空間という三つの軸から説いています。当然その空間とは何気なくそこにある日常の街角の風景も該当します。人とかかわりを持つすべての物理的空間が経済・社会の地理学の射程に入ります。本著によると、そのような人間のいる風景はなんらかの社会経済的な原理、所有者の意図、法規制の発現をもとにして生まれています。
冷静に考えてみれば当然のことなのですが、ついつい頭では理解していても・・・ということがあります。たとえば観光地の絶景を見るとそこに神秘性を感じて、その風景を人為とはかけ離れた不変の神秘空間であるかのように思い込んでしまいます。
本著では、繰り返し空間形成の過程を論じており、上記のような思い込みに冷や水をかけてくれる内容となっています。そういう意味で読み進めていくうちにコロンブスの卵的な再発見を何度もさせられる気分になりました。
本著では通常の教科書にありがちなようにその学問の基本的な概念、学説史を網羅的に抑えるのではなく、現実の問題にむきあうアクチュアルな概説書として構成されています。具体的には「世界のグローバル化が進む中で、地域の多様性と異質性が増しているのはなぜか」という一見パラドキシカルな関係にもみえてしまう現象を、経済地理学と社会地理学の観点から説明しており、その中で学問の基本的な知見を紹介しています。ただし、本著は大きなテーマとして超マクロな世界のことを、入門書としての体裁を忘れずに論じているので、本著で紹介している知識は日常生活においても十二分に関係のあるものといえます。
もう少し内容に踏み込むと、本著では、空間の生成過程を経済、社会、空間という三つの軸から説いています。当然その空間とは何気なくそこにある日常の街角の風景も該当します。人とかかわりを持つすべての物理的空間が経済・社会の地理学の射程に入ります。本著によると、そのような人間のいる風景はなんらかの社会経済的な原理、所有者の意図、法規制の発現をもとにして生まれています。
冷静に考えてみれば当然のことなのですが、ついつい頭では理解していても・・・ということがあります。たとえば観光地の絶景を見るとそこに神秘性を感じて、その風景を人為とはかけ離れた不変の神秘空間であるかのように思い込んでしまいます。
本著では、繰り返し空間形成の過程を論じており、上記のような思い込みに冷や水をかけてくれる内容となっています。そういう意味で読み進めていくうちにコロンブスの卵的な再発見を何度もさせられる気分になりました。