炎炎ノ消防隊（１７） (週刊少年マガジンコミックス) の感想

　灰島重工の研究所で勃発した六人目のアドラバースト覚醒者・ナタク少年をめぐる争奪戦は、
敵の白装束が色々やり過ぎてナタクを核とした「大焔人」が大暴走、争奪戦どころではなくなる
事態に。このままでは数百キロの範囲が消滅、誰も助からない……！？
　放射能とはまたヤバめのネタを出してきましたが、破滅を防ぐための総力戦が面白い…といっ
ても主人公のシンラだけあまり何もできなかったのは悲しいところ。攻撃力と機動力がだいぶ
上がっているとはいえ決め手に欠けるのが辛い。黒煙を実体化させる黒野の能力の方が使い
勝手良さそう。プラズマナイトのアーサーは……能力の使い勝手よりもオツムに問題が……。
場を荒らしては喜ぶハウメアとインカは相変わらず不愉快なヒロイン（笑）、最後は数ページに
渡ってオラオラされるぐらいの最期であってほしいものですが。逆にカロンは強敵ながらあまり
死んでほしくない存在。能力的に同種の一方通行さんはとうとう主役にもなったしな（笑）。
　
　戦いの後も第８にじわりと向けられる灰島のプレッシャー、そしてシスターの洗礼業務が
清々しい……と思ったら教会内でも避けられない焔ビトの脅威と、なおも不穏な展開。
宗教、というか「一つのことに執着しすぎる者の危うさ」が描かれていくような。
　
　作者が「キエーーーー！」と叫んでいるだけのしょうもないあとがきが２ページ。何ぞ近況
報告でもすればいいのにとも思いますが、そういえばアニメの方はせっかく良作画で好スタート
を切ったのに、京アニの大惨事のあおりで放送延期に……。そりゃ当面は「建物が爆発、人間が
火ダルマ」なんて描写は公開できないでしょうが……。
きええええええ！