BEASTARS(17) (少年チャンピオン・コミックス) の感想

この物語の行き着くところが、最終的な目的が曖昧な気がします。
日常系のコメディ漫画だとキャラクターに魅力を持たせてサザエさん時空で延々とだべらせる
これは自然なことと思いますが、この話は草食獣の食殺事件から始まり
レゴシ、ルイ、ハルなど主要人物にスポットを当てた人間模様ならぬ獣人模様を表現しつつ
獣社会という設定ならではの社会問題上のジレンマみたいなもので読者を引っ張っていく
そんな作品だと思ってました。

獣社会というか、草食と肉食が共存する問題は当初から盛り込まれていますが
いささか語り過ぎな感じがします。今回においても新しい組織が出てきましたし
メロン、レゴシのような混血を話に盛り込んだりしてはいますが、この話の本筋ってなんなのかなぁとだんだん思い始めました。
コピルアクがどうとか、またたびがとか、ネコ科のひげがとかどうでもよくないですか？
肉食は草食を食べたいなんていう表現はそりゃもう何度も何度も言いますし
設定資料集に書かれているような内容を細かく細かく解説して本筋進めないのは引き延ばし間ありありですし興醒めします。
細かい設定は言葉で説明するのが漫画ではないと思います。
言葉でもあっていいと思いますが、登場人物の自然な所作や何気ない発言や舞台装置から連想するのが普通じゃないでしょうか。
俺たちネコ科は〜とか、俺たち肉食動物は〜とか、その社会で生きてる奴らならわざわざアピールするようなことですか。

そもそも食殺事件は一応解決をみたわけですしね。あれからリズは出てきてないけど、誰か面会にすら行ってないんですか。
キャラクターも舞台が学園ではなくなったのでほぼ一新されましたし
じゃあ学園から選ぶはずだったビースターとか、演劇とか何だったんですか？
何のためにジュノにレゴシを追いかけ回させたりしたんですか？
それら全てを投げ出して別の物語作ってしまってるんですが、これって新章っていうのかちゃぶ台返しっていうのか、、、
今書いてる物語も、ヤフヤやおじいちゃんやメロン、アパートの皆って結局なんだったんだ？ってことにならないようにしてほしいもんです。