異世界おじさん　３ (MFC) の感想

最近の漫画の中でベストヒットのうちの一つ。とんでもなく面白い。取り敢えず買って欲しい漫画です。

昨今過剰になってきた異世界転生、転移物。小説家になろうというネット小説サイトで、様々な異世界転移物が描かれた結果、その話を原作とした様々な異世界転移物の漫画が売り出されてきました。供給が過剰になると皆手練手管を使ってきます。スライムに転生したりだ、令嬢だ、熊だ没落貴族だ…。その努力は素晴らしく、いずれも斬新で面白くはあったんですが、やはり飽食気味であることは否めなかった。

そんな中出てきた漫画がこの異世界おじさん。完全漫画原作の本作は、完全に漫画に特化した異世界転移物語であり、今までのなろう系漫画とは一線を画す面白さで、衝撃を受けてしまいました。
そもそも、今までの小説原作の漫画ではどうしても違和感が出てきてしまいました。それは小説家になろうというweb小説投稿サイトの中では、異世界転移・転生物がそれこそ星の如く投稿されており、その中で目立つには特殊な設定と、よりなろう「小説」で楽しめる用に特化した表現が必要とされていました(誰でも想像しやすいオーソドックスな世界観(エルフ・ドワーフ、魔法、冒険者ギルド等)、心理描写をすっ飛ばしたテンポの良い展開、文字で人を識別する為の特徴的な登場人物達の口調等)。その文化の進化は早く、合理的で強力であったが故に、なろう「小説」以外で表現すると多少の違和感が出てきてしまう結果になりました。世に出てるなろう小説原作の漫画は、星3では無いけど星5でも無いな…っていうのが多い印象でした。