Herbert von Karajan / Beethoven : Concerto in D Major for Violin & Orchestra [DVD] [Import] の感想

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　高額輸入盤の箇所に記しましたが、この名曲は小生入学前の幼少から毎日のように手回し蓄音機で何枚にも分かれたベルリン・フィルのＳＰ盤を鑑賞したクラシックファンになる動機になっています。当ＤＶＤも輸入盤でなんら遜色ありません。１９８１年秋に東京文化会館で帝王カラヤンとベルリン・フィルの演奏会があり当ベートーヴェンのＶ.Ｃは第５運命とのジョイントプロで、その年は春に史上初のスペースシャトル成功があり、秋には８１歳半の父（弱冠３６歳で学校長になり剣道やテニスをやりピアノも弾く身長１８０センチの葦名氏家臣が祖先の武人貴公子）が急逝した直後で、いわば傷心状態での日本公演（以前のベルディ・レクイエムに続き２度目）の鑑賞でした。既にドイツ青少年音楽コンクールで２度（初回は７歳時で特別賞付帯）に渡る優勝を飾り天才少女と謳われる１８歳のアンネ＝ゾフィー・ムターがソリストで、自身ではムターの経歴等については当時よく判らずにいたのですが、指揮台が近い席での鑑賞だったもので学生時代の合唱体験を活かしたブラボーを発した処カラヤン先生が何と意識的に私を温かい眼差しで見つめて下さり、ムター嬢も傍らで明らかに視線を戴けたという、妬みをかうような貴重な体験を有します。そして第３楽章のカデンツァも昔から聴きなれたもので感激でしたし、ＣＤでも統一していらっしゃる模様です。当ＤＶＤは１９８４年帝王７６歳、ムター女史２１歳時のノ―ライヴの１９９０年ドイツ製作普及盤です。当ＤＶＤの音のみでも繊細な流麗さと気高さ、そして統制がとれカラヤンとベルリン・フィル芸術の神髄を満喫できますし、映像が加わるともう何をかいわんやです。歴史記録としての名演の素晴らしさを多くの方に堪能して戴きたいものです。By W=TodaIsao