クイズで鍛える! 株で勝つ6つの力 の感想

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　出版界の中で、株本ほどくだらない内容の溢れた分野は無い。その多くは、同一著者によるタイトルだけを変えた「焼き直し本」だ。人が生まれ、経済が成り立つ以上、株式投資の世界にも自動的にビギナーがなだれ込む。新学年に進級した時に買う教科書の如く、株本も途切れることなく売れてしまう。
　
　株式投資に真実があるとすれば、それは過去の株価の軌跡と現在の株価だけであろう。でも、未来の株価をどうしても知りたい、という個人投資家のの欲望をくすぐるのが株本の目的だと思う。ローソク足やテクニカル分析を行えば、あたかも数学の数式で答えが出せるように、未来の株価を予測できるのだと洗脳され、そんな洗脳された個人投資家が、大口機関投資家の餌食になっていく。
　
　個人投資家が餌食になる過程を浮き彫りにし、株式投資の裏の世界を教えてくれたのが、今回私が読んだ「株で勝つ6つの力」だと思う。とにかく、この6つの力の分類の方法が面白く、誰もが書けなかった内容だ。代表的な株価指標やテクニカル分析を挙げつつ、それを心理面から解説し、罠に陥らないためのガイドをしてくれていると思った。30年以上、投資の世界を取材してきた著者の「良心」に従ったガイドは、いままでの株本に無かった新境地であり、話題になっていくだろう。