セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) の感想
参照データ
タイトル | セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱 (小学館101新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 坂爪 真吾 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784098251384 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
自身の体験から独自の理論を組み立て、「セクシャル・リテラシー」などの専門的用語を用いた解説は、講義を聴いているかのように納得させられてしまった感がある。
「障害者の射精介助」は理解できるが、本当にそれだけで良いのだろうかと疑問を持つ。それに伴う性愛の渇望、たとえばキスとかスキンシップとかの求めにはどう対応するのだろうか。
一例としてオランダのSARが性行為まで行う組織として紹介されているが、本書ではエロスの部分は介護以外の方法で解決すべき問題と突っぱねている。それなら性産業はどうかというと、風俗は悪者扱いしているように読める。
障害者の当事者からしてみたら、性を徹底した介護システムとして与えられても、やるせないのではないだろうか。そんなに割り切れるものだろうか。それこそが差別にも繋がりかねない。しかしその辺は持論に終始してあまり踏み込んでいない。
著者の核心は第三章「性の公共性」にあると思う。昔の夜這い制度を例に出して、性体験を保証するシステムが人間に自信を持たせるという点には、大いに共感できるところがあった。
さらに障害者が性的権利を求めるなら、他者の性的権利も尊重しろと言っている。いわゆる障害者も卑屈になるなと言っているのだ。
第三章以降は著者の誠実な考えが展開されていて興味深かったが、印象として射精介助ばかり目立ってしまい、著者の理想に障害者が巻き込まれているように感じてしまうのは、性と障害者をくっ付けすぎているからではないだろうか。
共感と疑問が入り交じった内容だった。
「障害者の射精介助」は理解できるが、本当にそれだけで良いのだろうかと疑問を持つ。それに伴う性愛の渇望、たとえばキスとかスキンシップとかの求めにはどう対応するのだろうか。
一例としてオランダのSARが性行為まで行う組織として紹介されているが、本書ではエロスの部分は介護以外の方法で解決すべき問題と突っぱねている。それなら性産業はどうかというと、風俗は悪者扱いしているように読める。
障害者の当事者からしてみたら、性を徹底した介護システムとして与えられても、やるせないのではないだろうか。そんなに割り切れるものだろうか。それこそが差別にも繋がりかねない。しかしその辺は持論に終始してあまり踏み込んでいない。
著者の核心は第三章「性の公共性」にあると思う。昔の夜這い制度を例に出して、性体験を保証するシステムが人間に自信を持たせるという点には、大いに共感できるところがあった。
さらに障害者が性的権利を求めるなら、他者の性的権利も尊重しろと言っている。いわゆる障害者も卑屈になるなと言っているのだ。
第三章以降は著者の誠実な考えが展開されていて興味深かったが、印象として射精介助ばかり目立ってしまい、著者の理想に障害者が巻き込まれているように感じてしまうのは、性と障害者をくっ付けすぎているからではないだろうか。
共感と疑問が入り交じった内容だった。