人生も仕事も変わる! 最高の遊び方 の感想

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「酔狂」という言葉がピッタリの本の内容である。　しかし、その酔狂を決して侮ってはいけない。好きこそ物の上手なれ、という言葉がある。あることにハマった人間が出すエネルギーは凄まじい。その結果、大きく世界を動かしてくこともあるのだ。もちろん個人の中で終わっていることも多い。しかし、自分の好きなことにのめり込む人は、実に幸せそうではないか。
　「なんか趣味でもみつけたいなあ」と思っている人や、「何かに熱中している人が羨ましいなあ」と思っている人におススメの本である。遊びの心構え、方法、具体事例を知ることができる。茶道、剣道、柔道ならぬ遊道である。
　第三章には、世の偉人たちの遊び方が紹介されている。Amazon創業者のジェフ・ベゾフの遊びは、宇宙開発。というか、宇宙開発の為のAmazon創業。月への入植や重工業の宇宙移転など、このような宇宙計画が実際に同じ地球のどこかで進められているのかと思うと、興奮を覚える。
　第四章。第三章はスケールの大きい偉人達の遊びを紹介している。第四章は,それらとは対照的に，誰もが気軽にはじめることができそうな遊びを紹介している。ポイントは、みんながやりそうな遊びをそのままやらない。少しずらす。少し変化をつける。誰もがやろうと思えばやれるのだが、実際は誰もがやったことがない遊び。大袈裟に言うと、人跡未踏の遊び。そういった遊びの具体例が紹介されている。例えば、日本百名山への訪問。登山はしない。麓に行って、ただ記念写真を撮るという遊び。気軽にできそうで実に面白そうだ。
　タイトルが「最高の遊び方」なので、内容が薄いと思われる方もいるかもしれない。実際はそうではない。
濃密だ。著者の、ジャンルを問わない広範な読書に裏打ちれた濃密さ。なので抜群に面白く、軽快に読める本となっている。是非遊び感覚で本書を手に取ってほしい。著者は成毛眞さん。有名な方なので、紹介の必要はないだろう。
　最後に余談ではあるが、本書を読むと共に、落語の「百年目」を聞くことをおススメしたい。遊びを体に身につける妙味がわかる。