消えた横浜娼婦たち 港のマリーの時代を巡って の感想
参照データ
タイトル | 消えた横浜娼婦たち 港のマリーの時代を巡って |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 檀原 照和 |
販売元 | データ・ハウス |
JANコード | 9784781700168 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
教育的見地とオトナの事情故、教科書的な「横浜の歴史」では滅多に語られることのない、“ミナトヨコハマ”の現実の軌跡を、
地道な取材と調査に基いて、冷静なジャーナリスト視線で丁寧にトレースした、良質の調査報道でもある、横浜郷土史研究書。
客観的な視点から淡々と語り進めるスタイルの割に、読み進めると、江戸末期から昭和期に至るまでの「港町横浜」のダイナミズムと、
その延長線上に表われ、築かれていく“ミナトヨコハマ”の姿が、はっきりと、かつ、現実性を備えて浮かび上がってくるあたりに、
著者の視点と状況認識の正当性が明確に表れており、興味深い。
また、「他者への無関心」と表裏一体の「語り継がない」横浜の市民性を考えると、これだけの取材を重ねた労力も評価したい。
“ミナトヨコハマ”の変質・変容が着実に進行しつつある昨今、著者には是非、本書の流れで、さらに「ヨコハマ」を明らかにする
研究書・執筆活動を期待したい。そう思わせる“スジの良さ”も、本書を評価すべきポイントのひとつ。
いずれにせよ、「ヨコハマ」を理解する上で、大変示唆に富む良書。横浜郷土史を研究される方は無論、「ヨコハマ」を語る者も、必読。
地道な取材と調査に基いて、冷静なジャーナリスト視線で丁寧にトレースした、良質の調査報道でもある、横浜郷土史研究書。
客観的な視点から淡々と語り進めるスタイルの割に、読み進めると、江戸末期から昭和期に至るまでの「港町横浜」のダイナミズムと、
その延長線上に表われ、築かれていく“ミナトヨコハマ”の姿が、はっきりと、かつ、現実性を備えて浮かび上がってくるあたりに、
著者の視点と状況認識の正当性が明確に表れており、興味深い。
また、「他者への無関心」と表裏一体の「語り継がない」横浜の市民性を考えると、これだけの取材を重ねた労力も評価したい。
“ミナトヨコハマ”の変質・変容が着実に進行しつつある昨今、著者には是非、本書の流れで、さらに「ヨコハマ」を明らかにする
研究書・執筆活動を期待したい。そう思わせる“スジの良さ”も、本書を評価すべきポイントのひとつ。
いずれにせよ、「ヨコハマ」を理解する上で、大変示唆に富む良書。横浜郷土史を研究される方は無論、「ヨコハマ」を語る者も、必読。