熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ) の感想

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参照データ

タイトル熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)
発売日販売日未定
製作者中沢 新一
販売元講談社
JANコード9784062582391
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門

購入者の感想

・サノーさん一言コメント
「知恵の実を食べた人類が辿る、贖罪の進化。神話から離脱する社会がもたらす、秩序とはなにか」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「人間と動物、自然と社会が対等だった頃、人は人以外の存在を知り、万物への畏敬の念をもつ生き物でした」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】

・サノーさん、ウノーさん読書会

サノーさん(以下サ):『カイエ・ソバージュ』シリーズの第2巻、神話における哲学との親和性から、「社会」と「国家」が成立するまでの、過程を追う物語だ。
ウノーさん(以下ウ):詩情に富んだ語りと、豊かな見識からの引用で、読む手が止まりませんでした。
サ:この巻の軸は「熊」だな。
ウ:世界には熊さんを巡る伝承が、こんなにもあるんですね。
サ:その共通項、背景にある思想と変遷を辿ることにより、人類がどう世界に分布していったのか、確認することができる。
ウ:「テディベア」や「プーさん」も「熊」で、現代におけるシンボルだというのは、気が付きませんでした。
サ:確かに、神話の世界では、動物と人間の垣根はなかった。エジプトでは、猫もハヤブサも普通に神だし、この本で紹介されているインディアンやイヌイットの伝承では、現代においても人間と動物に対しての「対称性」が保たれている。
ウ:「熊」が「神」だという古代信仰も納得できます。なにしろ人間より大きいし、力は強いし「人喰い」だってできますもの。
サ:その熊を喰らい、人を喰らい、「無法の野蛮」を体現する人間の出現により、非対称の世界が生まれたわけだ。
ウ:シャーマンと首長の誕生、そこから王への変遷は、人類が歩んだ「社会」の成り立ちを知る要素となります。
サ:人間が他の生き物、他の存在との「対称性」を見失っていく過程だな。
ウ:まさに「文明」と「野蛮」が枝分かれしていく過程です。
サ:枝分かれして成立したばずの「国家」が「無法の野蛮」だった、というのは、なかなかの皮肉だな。

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