近すぎて、遠い (幻冬舎ルチル文庫) の感想

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参照データ

タイトル近すぎて、遠い (幻冬舎ルチル文庫)
発売日2013-12-17
製作者椎崎 夕
販売元幻冬舎コミックス
JANコード9784344830035
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ボーイズラブノベルス

購入者の感想

飲食店経営者浅川理史(まさちか)×その又従弟浅川和(なぎ)のお話です。

和は大学二年生で(但し後述の事故のため高校二年生を二度やっています)、
四年前に自動車事故で両親を亡くすと同時に自身も右膝に重傷を負い、更に三年前にとある事件に遭ったことから、
その後又従兄である理史と同居し、世話してもらうことになります。

三十路半ばの理史はダイニングバーなど数店を経営するやり手オーナーの一面もあり、
和は大学へ通う傍らそこでバイトをしていますが……自宅でもバイト先でも理史の和に対する態度ときたら甘々で、
しょっぱなから保護者やオーナーとしての域を軽く超えています。

理史は和に対して表面上は厳しくというか保護者っぽいことを言っているのですが、
右膝が不自由な和の歩行を助けて「俺といる時に杖はいらねえだろ」とか「和は俺専用の愛玩物なの」とか、
お店の試作スイーツを和に試食させるためにアーンさせたりとか、挙句にお風呂上がりのマッサージ……。
まるで雛鳥の世話をする親鳥のような甲斐甲斐しさで、至れり尽くせりです。
このへんは恋人としての行動ではなくあくまで保護者としてなのですが、私には十分すぎるくらいの甘さでした。

そしてお話は三年前の事件を軸に進み、二人の関係に変化が訪れます。
色々な経緯があって、ことあるごとに理史への想いを抑えたり振り切ろうとする和の気持ちが切なかったです。

初読み作家さんでしたが、文章が安定していて読みやすかったです。
また、主人公の心情も丁寧に綴られていました。

最後に収められている短編「もっと近くへ」は理史目線で書かれていますので、
本編では最後の方でしか語られなかった理史の心情が窺えます。

甘々なBLが読みたい方に。

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