児童福祉司　一貫田逸子　かくされた子ども (LGAコミックス) の感想

中古で購入しました。元々は税抜き736円の本です。

この本にはコミック誌『15の愛情物語』2004年7月号～2005年1月号に掲載された「小夜ちゃんのパン」
「かくされた子ども」「約束」「身代わりにされた子ども」の4つの話が収録されています。ちなみに主人公の
名前・一貫田逸子は「いっかんだいつこ」と読みます。

児童虐待という重いテーマを扱った漫画ですが不謹慎にならない程度にユーモアも織り交ぜながら描か
れているので、全体としてはバランスのとれた読みやすい作品になっていると思います。児童福祉司が
虐待の調査をするために頬っ被りをしてアパートのベランダから部屋に侵入するなんてあり得ません。
そういう「実際にはあり得ないこと」もこの作品の中には沢山出て来ます。登場人物の中にもデリカシー
に欠けた発言をするキャラクターが極少数ですが出て来ます（このキャラクターは作品のテンポを良くし
てくれていたり主人公とは異なる視点を読む人にサラッと提供してくれていたりするので、嫌味なヤツで
すがこの作品の中では大事なキャラクターだと思います）。そういう描写がどうしても我慢ならないという
方には、この作品よりも『凍りついた瞳』シリーズの方が合うかもしれません。

児童虐待問題に関心のある方、これから児童虐待問題について勉強を始めようと思っている方などに
お薦めの漫画です。どちらかというと若い人向けかもしれません。