21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考 の感想
参照データ
タイトル | 21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ユヴァル・ノア・ハラリ |
販売元 | 河出書房新社 |
JANコード | 9784309227887 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 人文・思想 |
購入者の感想
待望の翻訳が発売されました。
本書は、著者のベストセラー作、サピエンス全史とホモ・デウスの出版後の雑誌記事を再編集するなどして制作されており、前二作から派生したものですが、今日の具体的な課題に回答を試みることで新鮮さに満ちた作品に仕上がっています。
たとえば、著者は、前二作で触れなかった、AI時代の教育にも第十九章「教育」で触れています。その分析は日本の教育の専門家の一般向けの著作よりはるかに鋭いと思います。
具体的には、著者は本書で、”21 Century Skills(21世紀のスキル)”(Bernie Trilling, Charles Fadel著)や"The New Education(新しい教育)"’ Cathy N. Davidson著) などの書物を紹介し、AI時代には、Cではじまる4つのスキル、すなわち論理的で批判的な思考、コミュニケーション、協力、創造力 (The Four Cs : critical thinking, communication, collaboration, and creativity) が大事であり、変化に対応し、新しいことを覚え、未知の環境でも心の平安を保てることが必要であり、 新しいアイディアや商品を創造するのみならず自分自身こそを再創造していく必要がある現実を受け入れなければならないと主張しています。
本書が前二作より新しい、ということよりさらに重要なことは、歴史学者である著者が、一貫して地球規模で考える立場と、進化する人類の歴史を考える立場をとっていることです。これは、前二作より本書で一層明確になりました。
交通・運輸・通信の技術と市場経済が発展することにより世界が一つになり、その地球環境が急激に変化しつつあることに加え、生命科学はついに人類が遺伝子操作をできるところまで発展した今日において、自然淘汰によりゆっくり進化し続けてきた人類が地球環境で今後いかに変化していくことについて考えることの重要性を主張するという、これまでの歴史家にない著者の姿勢そのものが、著者の著作の核心です。このアプローチは、今日において意味を持つようになりました。
本書は、著者のベストセラー作、サピエンス全史とホモ・デウスの出版後の雑誌記事を再編集するなどして制作されており、前二作から派生したものですが、今日の具体的な課題に回答を試みることで新鮮さに満ちた作品に仕上がっています。
たとえば、著者は、前二作で触れなかった、AI時代の教育にも第十九章「教育」で触れています。その分析は日本の教育の専門家の一般向けの著作よりはるかに鋭いと思います。
具体的には、著者は本書で、”21 Century Skills(21世紀のスキル)”(Bernie Trilling, Charles Fadel著)や"The New Education(新しい教育)"’ Cathy N. Davidson著) などの書物を紹介し、AI時代には、Cではじまる4つのスキル、すなわち論理的で批判的な思考、コミュニケーション、協力、創造力 (The Four Cs : critical thinking, communication, collaboration, and creativity) が大事であり、変化に対応し、新しいことを覚え、未知の環境でも心の平安を保てることが必要であり、 新しいアイディアや商品を創造するのみならず自分自身こそを再創造していく必要がある現実を受け入れなければならないと主張しています。
本書が前二作より新しい、ということよりさらに重要なことは、歴史学者である著者が、一貫して地球規模で考える立場と、進化する人類の歴史を考える立場をとっていることです。これは、前二作より本書で一層明確になりました。
交通・運輸・通信の技術と市場経済が発展することにより世界が一つになり、その地球環境が急激に変化しつつあることに加え、生命科学はついに人類が遺伝子操作をできるところまで発展した今日において、自然淘汰によりゆっくり進化し続けてきた人類が地球環境で今後いかに変化していくことについて考えることの重要性を主張するという、これまでの歴史家にない著者の姿勢そのものが、著者の著作の核心です。このアプローチは、今日において意味を持つようになりました。