兵士たちの連合赤軍〈改訂増補版〉 の感想

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参照データ

タイトル兵士たちの連合赤軍〈改訂増補版〉
発売日販売日未定
製作者植垣 康博
販売元彩流社
JANコード9784779120510
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

 「あさま山荘」事件当時はまだ子どもだったので、連合赤軍がどんな「軍隊」なのかもわからなかった。その後世論の左翼シンパシーが急速になくなっていく中、いわゆる新左翼が話題に上る事も少なくなり風化していったのだと思う(その後時代はどんどん「資本主義」化しバブルへ向かった)。
 本書を手に取ったのは、実はオウム事件20年でオウム関連の本を読んだ事で、そう言えば新左翼と似ているなぁ、と思ったのがきっかけ。理想的社会の建設を目指したはずの優秀な若者たちが、組織の論理に洗脳され暴走、殺人も厭わないまでになった、という類似点は多くの人が指摘するところ。新左翼からオウムが20年、そしてまた20年経ちオウムが風化した今、新たなグループが出てくるという人までいる。

 さて本書は、連合赤軍の兵士として活動を行った内部の者としての貴重な告白である。
 その生い立ちから、文学書や哲学書を読み漁る優秀だった中高生時代、物理学を学ぶため(そう言えばオウムも理科系が多かった)大学に入学して学生運動、遂には中退して本格的に活動家になり、最後は内ゲバ殺人に加担し逮捕されるまでを綴った日記のような記録。

 まずはその驚異的な記憶力に驚く。勿論活動当時は詳細な日記などつけるはずもないのに、細かな会話まで再現する。しかしながら行動は事細かに記すものの、意識や論理はあまり見当たらない。せいぜい、嫌だなぁと思った、とか嬉しく思った、程度のものだ。
 当時はそれが当然と思ったのだろうが、特に内ゲバ殺人がどうして起こってしまったのか、という点に対しての反省はほとんどない。著者は一般人を傷つける事には慎重だったが、警官を襲撃する事や赤軍内での総括、追求、殺人に関しては躊躇しない。だからこそ優秀な「兵士」だったのだろう。いくら幹部の森、永田(いずれも当時23歳の著者より4、5歳年長)から言われたからといえ、一度は好意を持った女性兵士を殺されるとわかっていながらいたぶるのに加担するのは本書を読んでも理解しづらいのだが・・・

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