ウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫) の感想

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参照データ

タイトルウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)
発売日2018-10-10
製作者柚月 裕子
販売元幻冬舎
JANコード9784344428027
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

「孤狼の血」でもそうであったように、この作品でも柚月は作品の後半に入ってグッとアクセルを踏む。つまり大きな仕掛けや小さな伏線の意味を明らかに
しながら一気に読者を惹き込んでしまうのだ。平凡な主婦高村文絵は、もともと美少女ではあったが今は結婚して怠惰な生活を送っている。しかも
解離性離人症という心の病を患っている。しかし、とはいえ夫と二人の娘に恵まれて大きな不幸はない生活を送っている。というのが、この作品の
ある意味一人の被害者であり、それでいて犯罪者に仕立てられる女性の読者に与えられたイメージである。なぜ、ここで「イメージ」という言葉を使うのか
それは前述の大きな仕掛けが作品の後半に仕掛けられているので言うことは出来ない。だが、作者は人の不幸に付け込みながらある人間に
成り済まして連続詐欺事件と殺人を犯す女を描きながら、この被害者の文絵という女性に対して読者の感情移入を最大限にしていく仕掛けを仕込んで
いる。ある意味柚月らしくないほど、女性がたくさん登場する。前述の文絵、容疑者の女性、事件を追う刑事秦の植物人間となった妻、秦の相棒の
有能な女性警官等々。すべてが作品にとって欠かすことのできないキャラクターとして重要な役割を担う。とはいえ、これは柚月らしくストーリーは男っぽい
骨太の作品だ。文庫で550ページほどの作品だがあっという間に読破してしまう。とにかく面白い。

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幻冬舎から発売された柚月 裕子のウツボカズラの甘い息 (幻冬舎文庫)(JAN:9784344428027)の感想と評価
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