ミルトン・フリードマンの日本経済論 (PHP新書) の感想

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タイトルミルトン・フリードマンの日本経済論 (PHP新書)
発売日販売日未定
製作者柿埜 真吾
販売元PHP研究所
JANコード9784569843933
カテゴリ »  » ジャンル別 » 社会・政治

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ミルトン・フリードマンといえばマルクス経済学や反経済学の色彩の強い日本の論壇や経済学者の世界では忌み嫌われている経済学者の代表である。しかし米国では、フリードマンの考えに反対の人でもその主張の明晰さを評価する声は大きい。この日本の閉鎖的な言論空間の中で、フリードマンの積極的評価を提起したことをまず大きく評価したい。そしてなによりもフリードマンの提言「貨幣は重要である」に集約されるその主張が、日本の長期停滞の解法になることはさらに意義深いことである。

帯文の「金融緩和の下で減税せよ」はその意味で、いまの日本経済をフリードマン的観点からみるときに最適の提言となる。

柿埜氏は、岩田規久男前日銀副総裁・学習院大学名誉教授やリフレ派といわれる人たちの薫陶を十分にうけてきただけあり、本書は実に読みやすく明晰な文章で書かれている。経済学の基礎知識がなくても戦後のアメリカ、日本の経済が現代まですらりと展望できるし、またその中での経済学の歩みもフリードマンというフィルターを通じて知ることができる。

もともとフリードマンは日本への関心が深く、かっては二カ月ほど長期滞在をしたこともある。また80年代は日本の経済学者や財界人などと論争的なシンポジウムにも参加してそれは書籍にもなっている。日本のデフレ停滞にも関心が深く、本書でも詳細に書かれているが中原伸之元日銀政策審議委員(バーナンキの中原さん以外は当時の日銀幹部はクズ=ジャンクだ、という名言は懐かしい)との交流、中原さんへの具体的なデフレ脱却へのアドバイス、また最後までたびたび日本へ政策提言をしたことは、日本人として感謝をしたいほどである。フリードマンの提言を十分に活用はできていない側面もあるが、とりあえずアベノミクスの金融政策はフリードマンの主張(中央銀行の政策の失敗を正すこと)をベースにしているともいえる。

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