クジラの家族 (月刊たくさんのふしぎ2019年08月号) の感想

作者は海洋生物学をまなび、のちに写真家となった人物。この一冊では、作者が世界各地の海へ出向いて観察したクジラの様子が紹介されている。

この本で紹介されるクジラの仲間は、ザトウクジラ、シロナガスクジラ、コククジラ、セミクジラ、シャチ、マッコウクジラ。クジラの仲間たちの大きな体、それから放たれる白い潮、撮影場所や時間などによって多様な青色をたたえた海…。美しくも臨場感のある写真が魅力的だ。特に、クジラの仲間たちの様子は大変な迫力があり、生々しさを感じさせる。
文章は多めで、多種のクジラの体のつくりや暮らし、クジラと人との触れ合いなどがなかなか詳しく書かれている。しかも、漢字の使用をひかえた文体はやさしくて読みやすい。

多種のクジラの違い、クジラの仲間たちの社会生活や家族生活の様子、彼らの神秘的な姿や愛らしい行動などが写真と文章の両方によって知れる良書。子どもだけでなく大人が読んでもたのしい、貴重な内容をあつかった一冊だと思います。