ひと目でわかる「大正・昭和初期」の真実 1923-1935 の感想

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参照データ

タイトルひと目でわかる「大正・昭和初期」の真実 1923-1935
発売日販売日未定
製作者水間 政憲
販売元PHP研究所
JANコード9784569819457
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

本書の著者は、いわゆる「十五年戦争史観」ーー戦後GHQないし連合国側によって醸成された自虐史観と推察されるーーに明確な批判的視点に立っており、本書の「はじめに」には「『十五年戦争史観』そのものの“嘘”を、一気呵成に葬る目的で本書を企画」したとある。なお本書は『ひと目でわかる「戦前日本」の真実 1936-1945』と「一体」であると言うが、私は右著を読んでいないのでこれとの比較言及はできない。著者は「あとがき」で、中国の戦前からの「円借款の踏み倒し」を糾弾しつつ、これと2005年の日本側に依る「円借款の終了の通告」後の中国の“反 日”行動(官製デモなどの暴動)を重ね合わせて「カーボンコピー状態」であると指弾しており、本書本文113ページなどでも、中国の円借款につき未償還残高など詳細な報告を行っている。

かかる著者の基本スタンス(自虐史観の否定と中国国家の歴史的独善性)は本書を通じて一貫しており首肯できるところではあるが、本書はかかる著者の主張、即ち「十五年戦争史観」(自虐史観から醸成された戦後日本国民の戦前に対する暗鬱的・抑圧的民俗観など)を払拭し否定的に検証すべく、大正・昭和初期の生き生きとした日本国民、現代と然して変わらない街の情景、度重なった震災悲劇からの復興等々、『アサヒグラフ』の掲載写真を中心に綴るものである。しかしながらかかる著者の主張ないしコンセプトと離れて、純然たる大正・昭和初期の日本の民俗性を豊富な写真から知りうるという側面に、本書のもう1つの価値があると思料する。関東大震災の壮絶な罹災情況と海外諸国の支援風景、『アサヒグラフ』に観る女性たちのファッションや流行の変遷、満州事変と5.15事件前後の日本と中国の情況、自動車産業の黎明など、非常に興味深い写真とトピックが満載されている。

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