事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある の感想

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タイトル事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある
発売日販売日未定
製作者橘 玲
販売元集英社
JANコード9784087808766
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治学

購入者の感想

と書くと、ハンス・ロスリングの「FACTFULNESS」のように聞こえるかもしれませんが、著者がこの書に大きく触発されているであろうことは読んでいて伝わってきました。本書の大半は2016〜19年に「週刊プレイボーイ」に連載していたコラムに加筆し整理したもので、他も「週刊文春」などの雑誌に発表済みのものです。普段読まない週刊誌に掲載された文章をこうして単行本にまとめてくれるのはありがたいのですが、それだけにとりとめがないというか同じような内容が何度も出てきたり、時事性が高いためどの事象を指しているのか分からなくなったりすることもあったのも事実です。また、「言ってはいけない」シリーズなど過去の著作で述べてきた主張を実際に日本で起こった事象に当てはめた応用編といった体裁なので、新しい主張を読めるというわけではなかったです。とはいうものの、やはり著者が乗っているときの語り口は本当に絶妙で、特に「日本は先進国のふりをした身分制社会」など、本質をつく言説は読んでいて爽快でした。

以下、読書メモです。
・日本に限らずすべての先進国の社会の中心にいるのが高学歴層だから、無意識のうちに自分を基準にするために平均(一般的な国民像)が大きく歪む。民主制はすべての市民が政治的な主張を理解し判断できることを当然のこととして成り立っているのに。これが民主主義の危機の本質
・私たちは皆、何百万年、何千万年も続いた性淘汰に勝ち抜いた男たちの子孫で、思春期から20代にかけて攻撃的・暴力的になるよう進化の過程の中で設計されている
・様々なテロ事件のもう一つの共通点は、犯人が自らの凶行を全く反省していないこと。テロの実行者は幻想の共同体を代表し、仲間たちを救うために反抗に及んだと主張するなど妄想の中では救世主
・男であれ女であれ、ルールに違反した者を罰することは快感。人は誰でもエゴイストで、放っておけば殺し合いになる。それでも共同生活を成り立たせようとすればルールに従うこと、ルールに違反したものを罰することを自然選択によって脳に組み込んでおくのが最も効果的。これが道徳の起源

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