男色大鑑-歌舞伎若衆編- (B's-LOVEY COMICS) の感想

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参照データ

タイトル男色大鑑-歌舞伎若衆編- (B's-LOVEY COMICS)
発売日2016-06-15
販売元KADOKAWA/エンターブレイン
JANコード9784047341579
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ボーイズラブコミックス

購入者の感想

江戸期の浮世草子作者・井原西鶴の書いた『男色大鑑』をコミック化する企画。
西鶴の『男色大鑑』は第1巻〜第4巻が稚児と武士の恋愛を描いたパート、第5巻〜第8巻が歌舞伎若衆と男性たちの恋愛パートである。私が参照した原作本はその1巻〜8巻まで全て収めて一冊としてあった。1巻に5本づつ短編作品と絵が入っていて、意外に読みやすい娯楽作品集である。
本書は歌舞伎若衆パートの中から選び出した7本をそれぞれ別の漫画家がコミカライズさせたアンソロジーになっている。

先に出た『男色大鑑・武士編』に続き、これまた面白い。
「歌舞伎若衆」ってなに?という基礎知識を西鶴の書いたストーリーを脚色しながら入れ込んで、「若衆と恋する特別さ」を見せてくる。「ボーイズラブ」という特殊ジャンルと「男の子と恋する男のたしなみ」という江戸期の趣向は≒のようでいて≠。この微妙なすれ違いを上手くBLのテリトリーに持ち込んで成立させていて、秀逸だと思う。この企画考えた人、冴えてる!

「武士編」から引き続きの描き手は黒井つむじ、雁皮郎、九州男児、眞山りか。阿弥陀しずく、大竹直子、ARUKUが新規画家陣。時代物は特に大変だと思うが、背景までしっかり描き込まれていて豪華なものを読ませてもらったと満足である。

巻末の解説は引き続き畑中教授。西鶴の文学のツボを教えてくれてありがたい。また武士編と歌舞伎若衆編の読み心地の違いの解説も丁寧で。当時の西鶴の遊びぶりや執筆態度なども面白く読んだ。「粋」って複雑で奥深いもんだ。

本書は「武士編」と比較するとより濡れ場が長く、ハッキリと描かれている。武士に仕える稚児も似た役割をしていたが、歌舞伎若衆の方が「娼婦」的側面が強く、色気のアピールや存在のなまめかしさが際立っているからだろう。これはこれで好きなのだが、やはり「武士編」の頑ななほどの一本気さ一途さ危うさが好きだなあ・・・。気の強い稚児様に萌える。

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