「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる)
発売日販売日未定
製作者平川克美
販売元ミシマ社
JANコード9784903908533
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

ミシマ社の発行、若き日に小学校5年生の時に同級生の内田樹さんと出会い、大学卒業後共に会社を設立した平川克美さんの著書ということで興味を持って読了しました。
はじめにでも述べられていますが、3日間平川さんが語ったことを編集協力者の菅原正詞さんが文章に起こしたようです。本書が口語体で書かれてあり、語り口が平易で優しいのもそういう企画の元に制作された本という性質があるようです。

内容は実に多岐に渡っていました。印象に残ったことを章立てに従って少しずつ触れていきます。
第一章「消費者第一世代として」では、「戦後の昭和史というのは、それ以前の価値感で普通に生きてきたはずの人たちが気づけばゴミ屋敷に籠城する変なやつになっていったわけ」と語り「消費=生きること」への変化を鮮やかに語っていました。そして29ページにあるように、おカネよりも大切なものがあると信じていた時代があったという価値観の変遷が伝わってきました。

第二章「戦後は消費化の歴史だった」で分かり易く述べられていますが、商店街での買い物、銭湯、そして街の映画館への言及はあの時代の空気感まで伝わりました。筆者と年齢が近いので理解できますが、まさしくそれらは「生活の延長の場であり、教育の場」であったという体験をしてきました。電話の子機、テレビが1人1台、そしてインターネットの登場、現代という時代の構築過程が描かれていました。

第三章「消費ビジネスのなかで」は、同級生の内田樹さんたちと翻訳会社を立ち上げた時の話が綴られています。厳しい経営環境だったようですし、修羅場を潜り抜けられたと思いますが、筆者の余裕が読者を安心させます。経営者であり、戦略コンサルタントであった筆者が半生を語りながら、「脱・消費者」へ目が向いていった過程を述べられてあり、これは日本文化論のような趣として受け取りました。

第四章「あれは戦争だった」では、1990年前後の日本経済の活況とグローバル化が招いたアメリカの危機感、そして経済戦争に負けた過程を明確に示していました。ここで人口減少について語り始めていました。会社にとってそれが危機感を招くことも。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる)

アマゾンで購入する
ミシマ社から発売された平川克美の「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ (シリーズ22世紀を生きる)(JAN:9784903908533)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.