あたらしい盆栽の教科書 ─ちいさな景色盆栽をつくる・愛でる・育てる─ の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

観葉植物やガーデニングの世界を体験するとこのようなミニチュアの盆栽を作ってみたいと思うようになり、本書を手に取りました。
本書は、盆栽への手引書ですし、愛好家にとっては教科書のようなものだといえるでしょう。内容の充実ぶりは随所の記述から感じられました。奥深さを手っ取り早く理解できるツールでもあります。

近年、植物の写真撮影の延長線上に、盆栽というものに足を踏み入れました。この奥深い世界を知るうえで必要な書籍は、と思っていると本書と出会いました。外国人が盆栽を好きなのも、そこに日本の伝統的な美意識を感ずるからでしょう。盆栽のルールをみていると理想的な姿が伝わります。何事にも先達は必要だということです。

写真で例示しながら、初心者向けに丁寧に作り方を教えてくれています。本当に一から手取り足取りしてもらえる感じが紙面から伝わります。オールカラーですし、手順がすべて写真で見せられていますので、解説への理解もたやすいと思いました。細かくは読んでいただくしかありません。

分かりやすい記述ですし、豊富な写真と実例を挙げています。奥深い盆栽の世界を、誰でもこのようにすれば上手く盆栽を作れますよ、というまさしく教科書でした。
特に48ページ以降の「苔玉をつくる」は参考になりました。苔玉を作る際に本書は必須でしょう。小さな盆栽がまさしく大きく見えるような雰囲気を漂わせ、その手入れの必要性と日本人の美意識をくすぐるものです。
「景色盆栽に四季の趣きを感じながら過ごしてはいかがでしょうか。」という筆者のコメントの通りの感情が芽生えています。