監督 小津安二郎〔増補決定版〕 (ちくま学芸文庫) の感想

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参照データ

タイトル監督 小津安二郎〔増補決定版〕 (ちくま学芸文庫)
発売日販売日未定
製作者蓮實 重彦
販売元筑摩書房
JANコード9784480097668
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

小津安二郎について語る場合に、批判するにせよ、肯定するにせよ避けてとおるわけにはいかないという意味で、もはや今となってはレジェンダリーな一冊。

従来のⅠ章からⅦ章に、旧版にはなかった

Ⅷ 憤ること
Ⅸ 笑うこと
Ⅹ 驚くこと

の三章が追加されている。
著者にとってもっとも大切な映画作家の一人である小津論であるせいか、蓮實重彦の著作中ではもっとも読みやすい一冊となっている。

冒頭で著者が述べているように、一般的に流布されている「小津的なもの」というステレオタイプのイメージから自由になって、小津の映画をありがちな物語に還元せずに見ることに専心することが重視される。

一般に流布する小津神話に還元されないような仕方で小津の映画を見ること、たしかにそれが著者の目指すところだが、その評論がおもしろければおもしろいほど今度は逆に、著者の書く言葉が別の小津神話を形成することにはからずも貢献してしまうわけであって、著者はそのことに対して自覚的であるがゆえに自分が「どちらかといえば小津的なものの側に立って小津安二郎の映画について書こうとしている」のだと打ち明けている。

だからこそ「静的な原理に従属することなく、もっぱらフィルムの運動として見るものの映画的な感性に迫ってくる」小津の作品を体験せよと言うのだ。それは見ているこの私という主体が粉々に崩壊するような匿名の出来事として生きられることになるだろう、というのは蓮實が色々な著作でいつも語っていることである。  必読!!

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筑摩書房から発売された蓮實 重彦の監督 小津安二郎〔増補決定版〕 (ちくま学芸文庫)(JAN:9784480097668)の感想と評価
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