統計的多重比較法の基礎 の感想

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タイトル統計的多重比較法の基礎
発売日販売日未定
製作者永田 靖
販売元サイエンティスト社
JANコード9784914903466
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 確率・統計

購入者の感想

『本書は統計学的方法を"ある程度”知っている読者を対象とした「統計学的多重比較法」の解説書である。』(第1章より)とある通り、2標本t検定や1元配置分散分析法を基本として解説が進んでいく。
しかし、そこまでこの2手法に詳しくなくとも本書の中で必要十分な解説がされており、そこまで不安に思うことはない。

本書の「特に」優れていると思う点を挙げると、
1.解説が詳しすぎるほどに詳しい
2.多重検定が万能ではないことを明確に記している
の2点ではないか。

1.に関しては、本書をめくれば一目瞭然だが数式が細かく書き連ねてある。
まず最初に「多重検定」をなぜ行わなくてはならないのかをたとえ話を通して解説している(本書第2章)。しかもその例は複数掲載されている。知識のある方々にはくどいくらいかもしれないが、独学で学ぶもの、自分の知識に自身がない場合には(少なくとも私自身の場合には)ぴったりだった。いままで理解できなかった「なぜ必要か」という点が明確になったからである。
また、各手法において前提や原理を解説し、細かな手順が明記される。その手順は細かすぎるほどで例えばスティールの方法に関して言えば(第5章)
手順1.推測の対象となるファミリーを明示する F={・・・・・
手順2.対立仮説を明示する (A)・・・・(B)・・・・・
手順3.有意水準αを定める。 α=0.05または・・・・
・・・・
というように。しかも多くの手法で手順解説ののちに、手順にのっとった方法で例題が用意、解説されている。
こういった点は応用がきくので独学で学ぶ者にとって非常にありがたい。

2.多重検定は万能であると思いがちだがそうではない。著者も本書の中で『盲目的に多重検定を用いることは危険である』(第1章)と述べている。各手法で用いている仮定や前提がきちんと記されている。学生時代は「なんでもテューキー」と思っていたが、全くの誤りであったことが分かる。

多重検定は道具だが、その道具がどのように設計されているのか、使い方、使うべき場所、使ってはいけない場所が分かりやすく掲載されている。

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