平等社会 の感想

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参照データ

タイトル平等社会
発売日販売日未定
製作者リチャード・ウィルキンソン
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492223024
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

国際研究機関等の国別、地域別(特に米国の州統計など重用)統計データ(90年代から2007年位です。原著は2009年出版)をもとに先進諸国の社会・健康指標と所得格差の症候群的見地からの相関を説きます。著者(共著)はいずれも英国の社会疫学専門家で研究機関を通じて現在も活発な啓蒙活動を行っています。著書内容は統計手法を駆使したものでなく、極めて簡略に言えば経済的格差(が社会的格差に直結してしまっているという点もあります)は国民全体にストレスを与えそれは先進国の豊かさとで逆に身体的のみならず社会的健康を損ねているという警句です。そして所得の平準化が好ましいと数多くの事例、エピソード、そして各章毎にユーモア溢れる一コマ漫画を入れて優しくわかりやすく説明を行っています。

以下個人的感想です。平等、公平な社会は好ましいのは間違いありません。ただ、著書にもあるように人間はどんな状況でも(過剰に)「序列付け」を行ってしまうし、社会的に自己存在をアピールする性があるということ、これはどう制御できるのでしょうか?事例・症例が「それは歴史的経緯、文化的(宗教、国民性含め)、地域特性もあり簡単に一般化できるのか?」「日本について好意的(?)な説明が多いが他の国含めて掘り下げが十分か?」「西欧型先進国の例に今後アジア型が加わったときどうなるか?」など随所に「結果論でそこまで言い切っていいものかな?」など思うところがありました。また、後段では統計を離れてやや社会文化論的な、刑罰やミラーニューロン、従業員持株会まで話が拡散しています。少し物差しと方向性が一定しないかなと感じたところで終了。ややフラストレーションを感じましたが、今はそれがこの本の価値かなと思っています。一般読者でも思わず突っ込みたくなる、それは私も一言あるぞとの興味と議論を引き起こすとすれば、それこそ啓蒙者たる著者(翻訳も良く、著者の気持ち、善意が伝わってきます)の最も望むところではないでしょうか。

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東洋経済新報社から発売されたリチャード・ウィルキンソンの平等社会(JAN:9784492223024)の感想と評価
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