ダイバーシティ・マネジメント入門|経営戦略としての多様性 の感想
参照データ
タイトル | ダイバーシティ・マネジメント入門|経営戦略としての多様性 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 尾﨑 俊哉 |
販売元 | ナカニシヤ出版 |
JANコード | 9784779511509 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » ビジネス・経済 » マネジメント・人材管理 |
購入者の感想
これまで、実務家や人事コンサルタントなどが書いたものは多く出版されていた。しかし本当なのか、なぜそうなのか、理論的な検証を行ったものはあまりみられなかった。このような片手落ちな状況を解消し、ダイバーシティマネジメントについて総合的に考えることのできる、画期的なテキストであろう。ただ単に女性を登用し、組織に多様な人材を揃えるだけでは不十分なこと、競争力の再構築をめざす明確な戦略と、その一環としてダイバーシティマネジメントを展開する能力を構築することの意義が明らかにされている。
前半は、企業が多様な人材の活用にどう取り組んできたか、その経緯を半世紀以上追いかけ、米・欧・日本にわけて比較し、概観している。一口でダイバーシティマネジメントといっても、時代や国により異なる経営上の課題があったことが、よく理解できた。昨今、議論が混乱しやすい理由もわかる。この前半は、アメリカ企業が海外進出を進めたり、日本企業との競争に追い込まれてリストラを余儀なくされたりするなかで、試行錯誤的にダイバーシティマネジメントを取り入れてきたことなど、日本ではあまり知られていないダイバーシティマネジメントをめぐるエピソードが、読んでいて面白く、気づきも多い。
後半は、前半で導かれた課題のなかの企業業績や競争力に焦点を当て、理論的な枠組みを明らかにする。伝統的な労働経済学を踏まえた知見に加え、国際経済学で学ぶ生産可能性曲線や生産要素賦存モデル、組織の経済学で学ぶ、市場と組織についての取引費用理論や、上司と部下をめぐるプリンシパル=エージェント理論、ナレッジ・マネジメント理論なども取り込み、多様な人材の活用と企業業績の向上との関係に、分かりやすく切り込んでいるのは斬新だと思う。
前半は、企業が多様な人材の活用にどう取り組んできたか、その経緯を半世紀以上追いかけ、米・欧・日本にわけて比較し、概観している。一口でダイバーシティマネジメントといっても、時代や国により異なる経営上の課題があったことが、よく理解できた。昨今、議論が混乱しやすい理由もわかる。この前半は、アメリカ企業が海外進出を進めたり、日本企業との競争に追い込まれてリストラを余儀なくされたりするなかで、試行錯誤的にダイバーシティマネジメントを取り入れてきたことなど、日本ではあまり知られていないダイバーシティマネジメントをめぐるエピソードが、読んでいて面白く、気づきも多い。
後半は、前半で導かれた課題のなかの企業業績や競争力に焦点を当て、理論的な枠組みを明らかにする。伝統的な労働経済学を踏まえた知見に加え、国際経済学で学ぶ生産可能性曲線や生産要素賦存モデル、組織の経済学で学ぶ、市場と組織についての取引費用理論や、上司と部下をめぐるプリンシパル=エージェント理論、ナレッジ・マネジメント理論なども取り込み、多様な人材の活用と企業業績の向上との関係に、分かりやすく切り込んでいるのは斬新だと思う。