市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗 の感想

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タイトル市場原理が医療を亡ぼす―アメリカの失敗
発売日販売日未定
製作者李 啓充
販売元医学書院
JANコード9784260127288
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 医学一般 » 医療倫理学

購入者の感想

 「医の倫理」よりも「ビジネスの論理」が優先された時、どんな惨憺たる結果を招くかは、言わずもがなである。しかし、昨今「日本の医療に市場原理を導入せよ」という声が上がっているのだ。本書では、医療に市場原理を導入したアメリカの、空恐ろしい現実が切々と訴えられている。

 市場原理導入が医療にもたらすものは

1. 保険料負担の逆進性 

高齢者、低所得者ほど、高額な医療費を払わなければならなくなる。保険料は、企業での地位が高く収入の多い人ほど安くなり、企業のバックアップのない低収入の人ほど高くなる。つまり、今の日本と全く逆になる。その結果、無保険者が増える。本書の中に、無保険者が病気になったときの壮絶な借金地獄の例が紹介されている。

2. 悪質な医療企業の増加

「サービスの質を落としてでも価格を下げてマージンを追求する」悪質な医療企業が参入しシェアを獲得した場合、良質な企業も悪質な企業をまねないと生き残れなくなる。これを、「バンパイア効果」という。本書で、株式会社病院の恐ろしい犯罪例が挙げられている。

3. 医療の質の低下

営利病院ほど質が悪く、事故の率が多い

4. 医療費が抑制される保証は無い

市場原理を導入したアメリカでは医療費上昇が続いた。米国の製薬会社は市場原理の恩恵を享受する一方、米国民は世界一高い薬剤を購入させられている。

 本書では、混合診療が解禁されたときの危険性についても述べられている。特に政治家に読んで欲しい本である。

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