交渉の達人 の感想

交渉術、と聞くとなにやら口先八丁になるための指南でもするんだろうかと訝しがって買ってはみましたたが、実際に読んでみるとそんな内容ではなく、とても有意義なことを学べました。

違う者同士がお互いに得たい価値があり、もちろんどちらも自分が得になるように相手に働きかけたい、そんなとき人は交渉します。
この「価値」というものを中心に、如何にして自分、そして相手にも価値を生み出す交渉ができるのか。交渉とは何か。交渉とは価値に対して行うべきである。
平たく言うとそういう観点から徹底して解説している本といって良いです。

他人と交渉する上で、明確な価値の基準が自分の中に正しく備わっているだろうか。（感覚で適当に交渉していないだろうか）
相手の価値基準の想定はある程度備わっただろうか。
強気な相手と交渉する上で、効果的な提案の引出をいくつ持っているか。（条件交渉「もしあなたの言う通りならインセンティブとして○○払いましょう、そうでなければこちらに○○払ってください」と提案すれば相手の強気が本気か嘘かを見分ける一つの手段になる)
一つの価値だけを交渉すればゼロサムゲームになるところをいくつもの論点を並行提示し、より総合的な価値を生み出す交渉ができそうか。
自分の中に複眼的な価値の列挙ができているか。それぞれの価値の相対優先度を決めているか。
そもそも交渉してもいい時と場所か。
時間にせかされていないか。
相手の主張する動機・理由をきちんと尋ねたか。
目先の得だけにとらわれて中長期的な価値を損ねていないか。
どう考えてもこちらが弱者である場合にどうするべきか。

などなど、とても一度読んだだけでは頭に入りきらないほど、具体的かつ示唆のある内容だったと思います。

元本が本社から送られてきて、この本の内容を英語から頭の中で日本語に変換するのは内容を理解する前に
俺の頭が破たんすると思い、そく購入。
でもまだ日本語版も読破できていません。