新編 山のミステリー 異界としての山 の感想
参照データ
タイトル | 新編 山のミステリー 異界としての山 |
発売日 | 2016-06-24 |
製作者 | 工藤 隆雄 |
販売元 | 山と溪谷社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 民間信仰・俗信 |
購入者の感想
全編56話の短編集で、実話。しかし全編が「ミステリー」というわけではない。
副題の「異界としての山」という表現がぴったりの、よもやま話が盛り沢山。
読後感は、ああ、いい話を聞いたなぁ、という感じ。
一話が短いので、寝る前など、気分転換に読み直すことがある。
亡くなった遭難者の居場所をピタリと当てる人の話(肉親、拝み屋さん、あるいは山小屋主人の夢から。)、刑事事件のような話は推理小説のようにもっと知りたくなったり(藪入りの顛末がほとんど。)、「更級日記」の書かれた頃の富士山の様子も短くもよく説明されており、興味深い。
自分の知っている山が出てくるのも楽しみである。
守り神のようなの樹、花や植物の不思議、キツネや鹿、鳥などの動物も登場。わたしは愛犬との絆のはなしが好きだ。
笑い話のような本当の話(中年男女の話、など)、本当にぞっとするコワイ話(ミステリー)、競争に明け暮れてきた(であろう)エリート医者の話は、なんだか読んでいて悲しくなってくるが(サイコパスなのかもしれない)、このような医者は現実にたくさんいるのだろうし、山で病死する人も現実にたくさんいるのだろうな、と思う。
著者は、あとがきで、これもまた人間のミステリーだと記している。
ちなみに、医者というのは昨今では専門化が進み(過ぎて)、検査等の手続きを踏まなければ手が出せない、あるいは例えばの話、耳鼻科の医者が急変した妊婦さんを診ることはできない(訴訟になりかねない)ので、公共の場で「医者はいませんか?」といわれても名乗り出られない、というような事情があるというのをどこかで読んだことがある。
それにしても、山小屋などで仕事をしている人たちというのは、いろいろな出来事に出会って大変だなぁ、と思うと同時に、この本に出てくる話の中にとても温かいものを感じた。
山好きの人におすすめ。日常に忙殺されていない時に読んだ方が、深いものを感じられるかもしれない。
副題の「異界としての山」という表現がぴったりの、よもやま話が盛り沢山。
読後感は、ああ、いい話を聞いたなぁ、という感じ。
一話が短いので、寝る前など、気分転換に読み直すことがある。
亡くなった遭難者の居場所をピタリと当てる人の話(肉親、拝み屋さん、あるいは山小屋主人の夢から。)、刑事事件のような話は推理小説のようにもっと知りたくなったり(藪入りの顛末がほとんど。)、「更級日記」の書かれた頃の富士山の様子も短くもよく説明されており、興味深い。
自分の知っている山が出てくるのも楽しみである。
守り神のようなの樹、花や植物の不思議、キツネや鹿、鳥などの動物も登場。わたしは愛犬との絆のはなしが好きだ。
笑い話のような本当の話(中年男女の話、など)、本当にぞっとするコワイ話(ミステリー)、競争に明け暮れてきた(であろう)エリート医者の話は、なんだか読んでいて悲しくなってくるが(サイコパスなのかもしれない)、このような医者は現実にたくさんいるのだろうし、山で病死する人も現実にたくさんいるのだろうな、と思う。
著者は、あとがきで、これもまた人間のミステリーだと記している。
ちなみに、医者というのは昨今では専門化が進み(過ぎて)、検査等の手続きを踏まなければ手が出せない、あるいは例えばの話、耳鼻科の医者が急変した妊婦さんを診ることはできない(訴訟になりかねない)ので、公共の場で「医者はいませんか?」といわれても名乗り出られない、というような事情があるというのをどこかで読んだことがある。
それにしても、山小屋などで仕事をしている人たちというのは、いろいろな出来事に出会って大変だなぁ、と思うと同時に、この本に出てくる話の中にとても温かいものを感じた。
山好きの人におすすめ。日常に忙殺されていない時に読んだ方が、深いものを感じられるかもしれない。