アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫) の感想

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参照データ

タイトルアンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)
発売日販売日未定
製作者ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ
販売元河出書房新社
JANコード9784309462806
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

購入者の感想

 まず、この近代以降の哲学の書物の中でも最も重要な一冊ともいえる本であるこの本の「前提」を説明します。それなしには、まったくもって、「何が書かれているか」すらわからないと思うからです。そして、その前提がこの本を読む時には重要になります。
この本は「ファシズム」についての本です。そして、「唯一無二の正しい真理」が書かれている本ではない、ということです。ドゥルーズの言う「ファシズム」とは、何もナチスとヒトラーだけのことを指すわけではなく、「テレビを見て、ボーッと会社や役所に通うだけのシステム人間」や「邪教を妄信する人」「学問と権威を作り出し、人々を洗脳しようとする人々」「システムに従ってしまうだけの人々」「反逆すると見せかけて、党を建設し、新たな権力を作り出してしまう人々」など、あらゆる人間の精神形態・思考形態に附随してしまう困った「超越的」な特徴のことです。
 この世界では、あらゆる新しく、生まれてくる人間にとっての問題は、勝つことが難しい「父、システム、権力」に、いかに新しく生まれてくる子が打ち勝つか、ということです。極論をいえば、キリスト教もイスラム教も仏教も共産主義も、近代思想も、「この問題」が原点にあります。
 ジル・ドゥルーズは、ヒューム、ニーチェ、スピノザ、ベルクソン、カントという近代哲学を丹念に独自に読み解き、「自分のオリジナルの概念」を作り出すことは、それまではそんなにない哲学者でした。どちらかといえば、「逃げること」を善しとするタイプの「大学の先生的」な「消極的な人」です。
 しかし、「1968年」はそんなドゥルーズをも変えました。パリ大学を中心とする世界の学生中心の革命運動の火と闘争の中で、その思考を書物に残そうとしました。その最大の「落とし子」がこの「アンチ・オイディプス」です。そして、それは当時流行だった精神分析という「新しい権威学者たち」に向けられました。権威的な精神分析をフルボッコにするために、温厚な哲学青年が怒ったわけです。

『アンチ・オイディプス』は、日本語では極めて難解すぎるような言葉にも思えます。
しかし、ドゥルーズの言った通り、この本は「道具」として、「使えば良い」のです。「凄い哲学」や「現代思想」ではなく「思考の実践道具」にすればいい。

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河出書房新社から発売されたジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリのアンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)(JAN:9784309462806)の感想と評価
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