シネマクラシック ジュリアス・シーザー [DVD] の感想

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参照データ

タイトルシネマクラシック ジュリアス・シーザー [DVD]
発売日2006-10-01
製作者洋画
販売元ビデオメーカー
JANコード4560208811403
カテゴリ » DVD » ジャンル別

購入者の感想

 主役は誰でしょう?登場時間の長さから言えば、ブルータス(ジェームズ・メイスン)とカッシウス(ジョン・ギールグッド)? しかし、強烈な存在感を放っているのはアントニー役のマーロン・ブランドで、まるで博物館のローマ人の胸像のようにツルツル、ピカピカ。そして容貌だけではなく胸に深慮遠謀があることを表す圧倒的で危なげな演技力をこの若さで既に見せており、作品の後半はほとんど彼の独壇場。
 もう一人、たった5分ほどの一場面にのみ登場する、ブルータスの妻ポーシャ(ポルキア)を演じているデボラ・カー。彼女の主要作品はほぼ見ている私の個人評では、この映画の彼女は彼女の数多い作品群の中で一番美しいと思います。本作の6年前の「黒水仙」(1947)では美しい上に若々しいみずみずしさを見せてくれますが、なにせ尼僧の僧衣をまとっていましたから控えめだったのが残念。それに比べると、本作のローマ装束と長い髪はさらにその美しさを引き立てています。
 ブルータスのジェームズ・メイスンは「砂漠の鬼将軍」(1951)で演じたドイツのロンメル将軍役が当たり役ですが、この作品では地道に英国の名優ぶりを発揮、相棒のカッシウスを演じたジョン・ギールグッドはどっかで見た顔、聞いた声、一体誰だっけ?と思ったら、70歳を過ぎて「エレファント・マン」(1980)、「ミスター・アーサー」(1981、77歳でアカデミー助演男優賞を受賞!)、「ガンジー」(1982)と大ブレークした名優ではありませんか!日本で言えば佐分利信?重厚で年齢を経た分だけこんなに立派で風格のある老年の男優が居るとは!と感心したものですが、その人が49歳の時はこんなにギラギラしていたんですね。
 作品全体はまさに舞台劇の映像化。登場人物たちの長く古風なセリフが続きますが、何故か退屈しない。それはここに長々と書いた俳優たちの魅力に他ならない、と確信しています。そして、この作品も今のところレンタルは出ていないようですから、見るためには買うしかない。

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