マハン海上権力史論 (新装版) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルマハン海上権力史論 (新装版)
発売日販売日未定
製作者アルフレッド・T・マハン
販売元原書房
JANコード9784562041640
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

マハン著『海上権力史』は、海洋戦略(シーパワー Sea power)に関する古典中の古典と評価されている。戦前の日本海軍にも大きな影響を与え、「坂の上の雲」で有名な秋山真之が米国留学時に師事している。戦後も海上自衛隊の基本教本という。

シーパワー。それは平時においては活発な通商活動に伴う海運能力であり、戦時にあっては海の管制、支配力を示す。広大な海洋に向かって支配的な戦略を行使し、そこから自国の利益を引き出すことは容易なことではない。船舶の操船や運行能力、優れた船員の確保、船の建造能力はもとより、安全な船の運行を支援する海外拠点が必要になる。また、国に産業力がなく、貿易産品がなければ、シーパワーは育たない。シーパワーとは、平時における、活発な通商海運活動が前提なのだ。通商が成り立つ産業力が伴わないと、有事の軍事力だけでは、シーパワーは持続できない。さらに、国家の地勢的条件も重要な要素になる。良港があるか、海洋にどう面しているか。この本は「地政学」に関わる戦略書とも評されている。

シーパワーの対義語が「ランドパワー」だ。地政学では、国家は、ランドパワーに頼る大陸国家と、シーパワーを有する海洋国家に二分される。

日本や英国、豪州、米国は、シーパワーに国の成り立ちを依存する海洋国家だ。これらの国家は内陸部に対抗する国家をもたず、海洋軍事力に資源を集中できる。一方、ロシアや中国、フランス、ドイツは微妙だ。マハンによると、17~19世紀のフランスは、大西洋と地中海、イギリス海峡に面し、海洋国家としての地勢的な優位性を持つが、内陸部への拡張志向から、海外拠点を英国に奪われたと説く。ナチスドイツも、所詮、大陸国家で終わった。では、現代中国はどうだろう。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

マハン海上権力史論 (新装版)

アマゾンで購入する
原書房から発売されたアルフレッド・T・マハンのマハン海上権力史論 (新装版)(JAN:9784562041640)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.