デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか―労働力余剰と人類の富 の感想

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タイトルデジタルエコノミーはいかにして道を誤るか―労働力余剰と人類の富
発売日2017-10-20
製作者ライアン・エイヴェント
販売元東洋経済新報社
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

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原著のタイトルは「The Wealth of Human」で,本来ならば「人類の富」。
決して,デジタルエコノミーが道を誤る旨を記述した本ではない。
ではどのような内容なのか。
それはすべてサブタイトルに記載されています。

テーマはテクノロジーによって生じる「労働力余剰」にどう向き合うか。かと。

まずは,労働力余剰が生まれる背景・理由からはじまります。
蒸気,電気といった汎用テクノロジーの発見。
その後数十年かけてそれらを活かすインフラが整い(電気の発見と電線や家電の普及にはタイムラグがある),労働力がテクノジーによって代替されてきたという産業革命の歴史が示されます。
そのうえで,「ビット」も同様の汎用テクノロジーであり,ITバブル以降,まさに今にかけてビットのためのインフラ(ネット,IoT,AI,シェアリング等)が整いつつあり,近い将来,これまで以上の労働力の代替が生じるという解説をしています。

では,テクノロジー,特にデジタル革命により生じる労働市場の変化・影響とはどういったものか。
具体的には,下記の3項目をすべて両立(並立)して達成することはできないというものでした。
①労働生産性が高まる
②賃金が上がる
③雇用を守る

例えば,テクノロジーにより①を目指せば,高スキル層は②を達成するが,低スキル層の②③を犠牲にせざるを得ず,二極化が進む。
また,③を目指せば,①を犠牲にした低生産性労働を残しておかなければならず,そのためすべての層の②を犠牲にしなければならない。など

どこをとるかは経済的な問題というよりも政治的な内的な問題とグローバル化という外的な問題が大きいといいます。
過去の歴史をみると,それは各層の政治的な強さのバランスによっている(労働組合,規制緩和など)。
そしてかつては存在しなかった経済のボーダレス化(新興国の成長,移民,金融など)がさらに問題を複雑にするだろうと説明します。

著者の示す処方箋は「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」だそうです。

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