女性兵士 (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトル女性兵士 (講談社文庫)
発売日2010-12-15
製作者加藤 健二郎
販売元講談社
JANコード9784062768177
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

本書は1988年から1998年にかけて戦場や軍での取材をまとめたもので、文庫のための書き下ろしです。

タイトルこそ「女性兵士」ですが、兵士として戦う女性の生き方を深く掘り下げたドキュメントではありません。
本書に対するイメージと実際の内容にはギャップがあり、著者もあとがきで『「たまたま」から始まったものが多く〜』と記しています。
ただ、過去の取材体験に対して後から変に意味づけを行い、無理に帳尻を合わせようとしなかった点は好感が持てます。
時には文章から何か古臭さを感じてしまうこともありますが、それはその時代を上手に描写しているとも言えるでしょう。

本書は戦場のレポートとしては完成度が高く、描かれた戦場の状況はリアリティに溢れています。
例えば、第一次チェチェン紛争では著者はチェチェン側から取材を行いました。そこで取材対象であった兵士の死を目の当たりにしたり、毒性のある化学物質を吸い込んで体調を崩すなど過酷な体験をしています。
宮嶋茂樹氏は「従軍取材は強いほうに付くのが鉄則」と著書の中で記しています。戦場で死ぬリスクを少しでも減らすために、攻撃されるリスクが少ないほうに付くということです。
加藤氏は制圧される側のチェチェンから取材を行っているわけですから、大変な危険を冒して取材を行っていたことが分かります。

「女性兵士」というテーマでは掘り下げの浅さを感じますが、軍や戦場の取材レポートとしては面白い読み物です。

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