不毛地帯(五) (新潮文庫) の感想

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タイトル不毛地帯(五) (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者山崎 豊子
販売元新潮社
JANコード9784101104447
カテゴリ文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 直木賞 » 26-50回

購入者の感想

前半部分のシベリア抑留時代について興味深く読みました。商社時代については優れた小説とは思いません。部下思いの清廉な有能な商社マンを描きたかったのでしょうか。
不毛地帯を読んで、主人公が実在の大本営参謀「瀬島龍三」などを中心にして作り出された人物だと知りました。瀬島龍三とはどんな人物か興味が湧き、「瀬島龍三 参謀の昭和史」という本を読みました。
作家が歴史に関連し、本を書くとき、当然たくさんの資料を調べ、多くの人に話を聞き出来るだけ史実から外れないように意識しながら書くものでしょう。この作家はこの本をフィクションであると言っていますが、多くの人が瀬島龍三はこのような人物だったと信じてしまいます。実際の瀬島龍三が全く違う、第二次大戦の多くの犠牲やシベリア抑留そのものに関わった人物であったら、また、シベリアでもソ連の幹部とうまく立ち回り所謂民主化運動にも携わっていたら、作家はどう思うのだろう。瀬島龍三はこの小説を使用し、自分自身を高潔で倫理感が強く国の為に犠牲になった良き国民として利用したとしたら。そればかりか、作家の取材に対し瀬島龍三は自分の都合の良い嘘ばかり並べた可能性がある。
瀬島龍三の幼年学校、陸軍士官学校、陸軍大学での周りの人たち証言内容を知ると、出世第一主義の先生や上司に上手く取り入る世渡り上手な人物だということが分かる。
真実を描くことなく、このような真実に反する人物を描くとこは、社会的罪であると思います。本人の良心に訴えかけたかったのなら別ですが、取材で騙されたしか思いません。

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