新興衰退国ニッポン (現代プレミアブック) の感想

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勉強になったところもあったが、首をかしげるような記述も多い。
それから肝心の対策が安易すぎる。

・子供を貧困にさせてはいけない。

そんなことは当たり前の事だが、そうするにはどうすればいいかが抜けている。
子ども手当を充実させるにも、その財源は？

・有期雇用は基本的になくすべき

なくしたとこでどうなる？
非正規社員には「会社に縛られたくない」「自分の都合のいい日に仕事をしたい」という理由で、敢えて非正規でいる者も多い。
そういった者たちの意志を無視して、無理やり正社員に押し込むというのは、思いっきり独裁国家のやり方では？

・高齢単身世帯、高齢夫婦世帯及び、低所得者も介護を受けられるように

２０２５年には３人に１人が６５歳、５人に１人が７５歳という計算になるのに、その財源をどうやって確保できるというのか？

それから、最後の「自己責任」社会と無責任社会という項目の記述はあまりにもひどいものでした。

「自己責任社会では、余計な事をして自己責任を取らされるのを嫌う。そして、何でも自己責任とされるので、みんなが共同して社会や他人と関わることを徹底的に忌避するようになっていく。」

↑これは自由の意味をはき違えた典型例といえます。
自己責任社会では余計な事をできない、責任が生じるから・・・要するに、「僕は自分の行動に責任が持てないんです」と言っているようなものです。
だから自己責任論は反対だみたいなことが書いてあったが、こんな情けない話はない。
自由には責任が付いてくる、これは基本のはずである。