アクセル・ワールド Blu-ray BOX (スペシャルプライス版) の感想

作品論については他に譲ります。以下は映像パッケージとしての本商品について記します。

欧州のアナログTV規格のPAL方式は走査線数が625本と日本で使用されているNTSCの525本よりも多いのですが、そのせいかDVDとしてはかなり画質がいいように感じます。これで全話そろいで2000円は安いです。本作のよほどのファン出ない限り、Blu-ray でなくてもこのDVDで充分なように思います（あくまで個人的感想です）。某チャンネルの１ヶ月の視聴料よりかなり安いので、これはもう「買い」でしょう。ただし、日本の一般的なDVDプレーヤーでは再生できません。PC+外付けリージョンフリードライブ（内蔵ドライブは不可。とくにMacは外付け必須です）が必要です。

以下、作品についてです…

最終話まで視聴しました。標準以上におもしろい作品です。ただ、バーストリンカーモードのアバターデザインが子供っぽく、自分には少々気になりました。また、敵前でプランをわざわざ吐露して立場を不利にしてしまう場面がいくつかあり、少々興ざめました。主人公の外観（リアルとVRダイブ時）が他のキャラと世界観が違いすぎることも違和感を感じさせます。確かにかわいさはありますが…。主人公の追い込まれっぷりと最終回のカタルシスは「さすがSAO原作者」と思えますが、自分には少し物足りなく思えました。

…作品全体を俯瞰してみて、本作は「SAOで採用しなかった（できなかった）プロットを詰め込んだ作品」なのかな、と思いました。たとえば「VRダイブ中の時間経過とリアルの時間経過を一致させる必要はないのではないか」「HPを全損することで二度とダイブできない、という設定にすれば "実際に死ななくても同じ物語上の効果を得られる" のではないか」「VR・ARを現実の行動に反映させることで "ズルをする" 人間を描けないか」…などなどです。