法務力アップ! 実践講座 の感想

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本書は、雑誌ビジネス法務に掲載した記事をベースに編集されたものです。毎月雑誌ビジネス法務を欠かさず購読されている方には、本書は不要です。

本書の執筆者は、弁護士と企業の法務部の方々が中心となっています。本書にて他社の業務の進め方の事例を知ることができますので、少人数で法務を担当されている方にとって有益かと思います。とくに、ユニリーバ・ジャパンの北島社長の記事は、読者に法務としての原点を振り返らせるような内容で、非常に印象的でした。

本書は、4章で構成されています。以下、各章の感想です。

第1章 社内で頼られる存在になる

他部署と接する時の、法務の心構えなどが記載されています。自分自身できていないことが、多いことに気付かされました。ときどき、初心に返るために読み返そうと思います。

第2章 契約書のプロになる

契約書をリスクマネジメントの視点で捉えた記事は参考になりました。しかしながら、具体的な契約書のチェック方法については、記事のスペースが限られているため、さわりだけとなっています。

第3章 専門力を磨く

判例の調べ方と訴訟に備えた日々の業務について記載されています。判例を活用するには、その事件の背景事情まで把握する必要があり、難易度が高いことを認識しました。

第4章 法務部の戦力を高める

法務部の予算獲得、人材育成等について記載されています。

予算獲得のために、定量的な報告をトップマネジメントにすることの重要さが記載されています。定量的な報告は、多くの法務の方が苦手とする分野ではないかと思いますので、一読の価値はあると思います。