時間のヒダ、空間のシワ…[時間地図]の試み: 杉浦康平のダイアグラム・コレクション の感想
参照データ
タイトル | 時間のヒダ、空間のシワ…[時間地図]の試み: 杉浦康平のダイアグラム・コレクション |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 杉浦 康平 |
販売元 | 鹿島出版会 |
JANコード | 9784306046061 |
カテゴリ | ジャンル別 » アート・建築・デザイン » デザイン » グラフィックデザイン |
購入者の感想
データ可視化・見える化などのワードが頻繁に取り沙汰される現在、戦後日本のグラフィックデザイン史を通してインフォグラフィックスの可能性を切り拓いてきた杉浦康平氏の作品を概観できる書籍が出版される意義は大きいと言えます。
わずか100Pあまりの薄い本ですが、収録された図版を損なわない大きな判型で、かなり見応えのある作りです。また、インタビューや対談もヘタな煩さが無く、杉浦氏の作品や思想を複眼的に捉える良質なガイドとして機能しています。個人的に千夜千冊で有名な松岡正剛氏との対談は一読の価値ありと思います。
空間や時間、そこに内在するさまざまなパラメーターの何に注目するのか、そうすることで何が浮かび上がってくるのか。時間を軸にして空間を歪ませた時間地図、東名高速を基準にした富士山の見える方向の変化、空間をスライスした動く天気図、犬から見た嗅覚の地図などなど、物事の切り口を自由自在に捉え直す視点はただ面白い・美しいだけに留まらず、それ以上の気付きを与えてくれる優れたインフォグラフィックスといえます。いちデザイナーの作品集としても愉しめますが、それだけではもったいない。多くの示唆に富んだ、情報の海に対する自在な目線のデモンストレーションとして価値ある一冊です。
余談ですが、アナグリフ(立体視)作品が幾つか収録されているので、赤青セロファンの3D眼鏡を用意することをオススメします。
わずか100Pあまりの薄い本ですが、収録された図版を損なわない大きな判型で、かなり見応えのある作りです。また、インタビューや対談もヘタな煩さが無く、杉浦氏の作品や思想を複眼的に捉える良質なガイドとして機能しています。個人的に千夜千冊で有名な松岡正剛氏との対談は一読の価値ありと思います。
空間や時間、そこに内在するさまざまなパラメーターの何に注目するのか、そうすることで何が浮かび上がってくるのか。時間を軸にして空間を歪ませた時間地図、東名高速を基準にした富士山の見える方向の変化、空間をスライスした動く天気図、犬から見た嗅覚の地図などなど、物事の切り口を自由自在に捉え直す視点はただ面白い・美しいだけに留まらず、それ以上の気付きを与えてくれる優れたインフォグラフィックスといえます。いちデザイナーの作品集としても愉しめますが、それだけではもったいない。多くの示唆に富んだ、情報の海に対する自在な目線のデモンストレーションとして価値ある一冊です。
余談ですが、アナグリフ(立体視)作品が幾つか収録されているので、赤青セロファンの3D眼鏡を用意することをオススメします。