名探偵コナン (85) (少年サンデーコミックス) の感想

※不満がかなり多いです。

楠田陸道の遺体が赤井秀一の死亡偽装トリックに利用されたのではないかという推測は以前からファンの間で有力でしたが…ミスリードであって欲しかったです。組織のメンバーである楠田が相手とはいえ、遺体損壊は…。グロテスクで、引きます。その楠田も（赤井が、ですが）自殺に追い込んだようなものなので、これでは月影島のエピソード以降コナンが大切にしてきた信念が捻じ曲げられてしまっていませんか。（そもそも、月影島以前にNYの事件でも新一はベルモット扮する通り魔を助けており、新一の元々の性格からいっても遺体損壊を是とするとは思い難いです）

とは言っても、コナンが自らの信念を曲げてでも組織だけは壊滅に追いやらなければならないと覚悟を決める等の描写の一つでもあったならば（あるいは、楠田を自殺に追い込んだ赤井を批難するとか、何かしらのフォローがあれば何でも良かったのですが）コナンが楠田の遺体を損壊した事実をもう少し受け入れることが出来たのかもしれないのですが…。楠田の遺体損壊の実行に関わった三名の内、コナンと赤井の策に巻き込まれたにすぎない水無怜奈ただ一人しか楠田に対する憐憫の情を感じている描写が無い（車ごと楠田の遺体を炎上させる直前のセリフや表情から）というのも…。探偵事務所立てこもり事件の時「新一ならどうするか」を考えて爆弾犯を庇った蘭のことを思うと悲しくなりました。