学年誌ウルトラ伝説: 学年別学習雑誌で見る「昭和ウルトラマン」クロニクル の感想

　前作「ウルトラ博物館」（2003年・小学館）は、紙の種類まで、原典と同じものを使うと言う徹底ぶりだったので、10年以上経った今では、粗悪な紙のページが変色し始めると言う、困ったトラブルも発生していたのですが、今回の「学年誌ウルトラ伝説」は全ページ、上質な紙を使ってくれていました。ひとまず、安心。
　また、似たような雑誌記事復刻の講談社「ウルトラ○○画報」シリーズは、メイン記事以外の部分を再録せず、そのスペースが空白になっていたのが、購入者の不満点になっていたようですが、この「学年誌ウルトラ伝説」は、その点もクリア。ウルトラマンと関係ない広告記事であっても、当時を偲べて、感慨深いです。
　4、50年前に、小学館の「小学○年生」を、兄弟全員で定期購入していた人ならば、一つ、二つは「あ、この記事、うちにあった本に出ていた」と言うのが見つかるのではないかと思います。つくづく、当時は「小学○年生」こそが、ウルトラマン情報（主に第二期以降）の中心だった事が分かります。
　唯一の欠点は、このような一部厳選ではなく、当時の記事全てを読みたくなってしまうと言う事なのですが、たとえば、旧マンガ版「ミラーマン」とかは、将来的に、復刊ドットコムあたりが単行本化してくれる可能性もあるかも。